Night and Fog in Japanとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Night and Fog in Japanの意味・解説 

日本の夜と霧

(Night and Fog in Japan から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/27 08:33 UTC 版)

日本の夜と霧
Night and Fog in Japan
監督 大島渚
脚本 大島渚
石堂淑朗
製作 池田富雄
出演者 渡辺文雄
桑野みゆき
津川雅彦
佐藤慶
音楽 真鍋理一郎
撮影 川又昻
編集 浦岡敬一
製作会社 松竹大船
配給 松竹
公開 1960年10月9日
上映時間 107分
製作国 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

日本の夜と霧』(にほんのよるときり)は、1960年制作の日本映画大島渚監督。

日米安全保障条約に反対する安保闘争をテーマにした作品だが、公開からわずか4日後、松竹が大島に無断で上映を打ち切った。これに対し大島は猛抗議し、翌1961年に松竹を退社した。契約期間が残っていたため、違約金を払った[1]

また、封切り3週間後の10月30日神田学士会館で開かれた大島と小山明子との結婚式では最初に大庭秀雄監督が「映画はヌーベルバーグで、家庭は大船調で」という挨拶があったが、その後、出席者から上映中止に対する抗議が相次ぎ、さながら総決起集会と化した。最後には大島が松竹と正面から戦うと宣言した[2][3]

この映画は異例のスピードで制作されたが、佐藤忠男によれば、大島が松竹による制作中止を恐れていたためで、実際撮影中に松竹社長から異議が出ていたという。大島は撮影を短くすませるため、カット割りのない長回しの手法を多用し、俳優が少々セリフを間違えても中断せず撮影を続けたが、そのことが独特の緊張感を生んだ[3]

なお本作はその後、三角寛の計らいで、池袋駅東口近くの人世坐で同じ大島監督の作品『青春残酷物語』と併せて特別上映された。

あらすじ

霧の深い夜、60年安保闘争における、6月の国会前行動の中で知り合った新聞記者の野沢晴明と、女子学生の原田玲子の結婚式が行なわれていた。野沢はデモで負傷した玲子と北見を介抱する後輩の太田に出会い、2人は結ばれたのであった。北見は18日夜、国会に向ったまま消息を絶った。招待客は、それぞれの学生時代の友人らである。司会は同志だった中山と妻の美佐子。その最中、玲子の元同志で6月15日の逮捕状が出されている太田が乱入し、国会前に向かったまま消息を絶った北見の事を語り始める。一方で、ハンガリー民謡を歌う色眼鏡の青年(野沢の旧友だった)の宅見も乱入してきて、自ら命を絶った高尾の死の真相を語り始めた。

これらをきっかけにして、約10年前の破防法反対闘争前後の学生運動のあり様を語り始め、玲子の友人らも同様に安保闘争を語り始める。野沢と中山は暴力革命に疑問を持つ東浦と坂巻を「日和見」と決めつけていたが、武装闘争を全面的に見直した日本共産党との関係や「歌と踊り」による運動を展開した中山、「これが革命か」と問う東浦や「はねあがり」など批判し合う運動の総括にも話が及び、会場は世代や政治的立場を超えた討論の場となる。

キャスト

スタッフ

関連項目

脚注

  1. ^ 松竹は「客の不入り」が原因だとしたが、日本社会党浅沼稲次郎委員長が右翼少年に刺殺される事件があり、政治的に不安定な時期で、当局の圧力があったとも言われたが、真相は分からない(映画の旅人」『朝日新聞2014年11月29日朝刊、be1 - 2面)
  2. ^ “愛とタブーに切り込む 大島渚さん、「朝生」でも激論”. 朝日新聞デジタル. (2013年1月16日). http://www.asahi.com/culture/update/0115/TKY201301150512.html?ref=comtop_fbox 
  3. ^ a b 「映画の旅人」『朝日新聞』2014年11月29日朝刊、be1 - 2面。

外部リンク


「Night and Fog in Japan」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

Night and Fog in Japanのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Night and Fog in Japanのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの日本の夜と霧 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS