Markhorとは? わかりやすく解説

マーコール【markhor】

読み方:まーこーる

ウシ科哺乳類野生ヤギでは最大種で体長1メートル超。角はらせん状にねじれるヒマラヤ山地帯生息するが、個体数少なく絶滅危惧種。ねじつのやぎ。


マーコール

(Markhor から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 14:29 UTC 版)

マーコール
マーコール Capra falconeri
保全状況評価[a 1][a 2]
NEAR THREATENED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ウシ目 Artiodactyla
亜目 : ウシ亜目 Ruminantia
: ウシ科 Bovidae
亜科 : ヤギ亜科 Caprinae
: ヤギ属 Capra
: マーコール C. falconeri
学名
Capra falconeri (Wagner, 1839)
和名
マーコール
英名
Markhor

マーコールCapra falconeri)は、ウシ科ヤギ属に分類される偶蹄類ペルシャ語で マール mâr (مار, '') ホル khor (‏خور‎, '捕食者') という意味を持つ。「野生のヤギの王様」という意味を持つ[1] ともあるが、間違いである。

分布

アフガニスタンイラン東部、インド北西部、ウズベキスタンタジキスタントルクメニスタンパキスタン[2][3][4]

  • C. f. cashmirensis ヒンズークシマーコール

カシミール西部、ヒンズークシ山脈[3]

  • C. f. falconeri カシミールマーコール

カシミール東部[3]

  • C. f. jerdoni スライマンマーコール

パキスタン中西部(スライマン山脈[3]

  • C. f. megaceros カイバーマーコール

アフガニスタン、パキスタン(カイバー峠周辺)[3]

形態

体長130-180センチメートル[4]。尾長8-14センチメートル[4]。肩高65-105センチメートル[4]体重オス80-110キログラム、メス32-50キログラム[2][4]。前肢の手首から先の前面、後肢の踵から先の前面は暗色の体毛で被われる[3]

アルファベットの「V」字状の角がある[3]。角長オス75-160センチメートル、メス25センチメートル[4]。角の表面には稜がある[3]

夏季は短い体毛で被われ、毛衣は赤褐色[3][4]。冬季は長い体毛で被われ、毛衣は灰褐色[3][4]

  • C. f. cashmirensis ヒンズークシマーコール

角は螺旋状で2回ねじれ、角の先端の間の長さ(例:53センチメートル)と角の直線距離よりも短い[3]

  • C. f. falconeri カシミールマーコール

角は螺旋状で1回半ねじれ、角の先端の間の長さ(例:110センチメートル)は角の直線距離よりも長い[3]

  • C. f. jerdoni スライマンマーコール

角は直線的で角の周囲を稜が3周する[3]

  • C. f. megaceros カイバーマーコール

角はほぼ直線的で角の周囲を稜が2周する[3]

分類

亜種チアルタンマーコールはパサンとの種間雑種とする説もある[3]

  • Capra falconeri cashmirensis Lydekker, 1898 ヒンズークシマーコール
  • Capra falconeri chialtanensis Lydekker, 1913 チアルタンマーコール
  • Capra falconeri falconeri (Wagner, 1839) カシミールマーコール
  • Capra falconeri jerdoni Hume, 1875 スライマンマーコール
  • Capra falconeri megaceros Hutton, 1842 カイバーマーコール

生態

標高700-4,000メートルにある森林の間にある岩場や草原などに生息する[3][4]。冬季になると標高の低い場所へ移動する[3][4]。メスと幼獣から群れを形成し生活し[4]、群れは夏季4-5頭、冬季20-30頭に達する[3]

食性は植物食で、木の枝や葉、などを食べる[4]。春季から夏季は草を、晩夏から秋季は木の枝や葉を食べる[4]

繁殖形態は胎生。繁殖期にはオス同士で疾走して角を打ちつけ合い争う[4]。冬季に交尾を行い、妊娠期間は135-170日[4]。4-6月に1回に1-2頭の幼獣を産む[4]。生後2年半で性成熟する[4]

天敵として ユキヒョウオオカミがいる。

人間との関係

食用とされたり、角が薬用になると信じられている[4]

放牧による生息地の破壊、角目的の乱獲、家畜との競合などにより生息数は減少している[4]。紛争による生息数の減少も懸念されている[4]。1980年代におけるウズベキスタンでの生息数は180頭、タジキスタンでの生息数は500頭、トルクメニスタンでの生息数は20頭と推定されている[4]

日本では秋田市大森山動物園智光山公園こども動物園夢見ヶ崎動物公園などがマーコールを飼育している[1]

参考文献

  1. ^ a b 「『野生のヤギの王様』マーコールに名前を」東京新聞、2016年5月23日
  2. ^ a b 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科4 大型草食獣』、平凡社1986年、149頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 今泉吉典監修 『世界の動物 分類と飼育7 (偶蹄目III)』、東京動物園協会、1988年、108-109頁。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社2000年、36、159頁。

関連項目

外部リンク

  1. ^ CITES homepage
  2. ^ The IUCN Red List of Threatened Species
    • Michel, S. & Rosen Michel, T. 2015. Capra falconeri. (errata version published in 2016) The IUCN Red List of Threatened Species 2015: e.T3787A97218336. Downloaded on 23 December 2016.


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