MT Framework
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/10 08:05 UTC 版)
MT Framework(エムティー フレームワーク)は、カプコンが開発したクロスプラットフォーム開発環境およびゲームエンジンの総称。
他のバリエーションとして、WiiとPlayStation 3プラットフォームに対応した「MT Framework Lite」、そしてニンテンドー3DSとPlayStation Vita用[1]の「MT Framework Mobile」が存在する。
MTの意味
「MT Framework」の"MT"には、"Multi-Thread"(マルチスレッド)、"Meta Tools"(メタツール)、"Multi-Target"(マルチターゲット)という意味が込められており、「MT Framework」が単純なゲームエンジンだけではなく、開発から実行までトータルサポートするためのツールであることを示している。
特徴
開発当初からマルチスレッド動作においてパフォーマンスを発揮するように設計されており、マルチコアCPUなどコア数が多い環境ほど高パフォーマンスを発揮する。性能面で差異のあるプラットフォーム間での同時開発が可能でありながらも、同一のタイトルでも、上位のプラットフォーム上では、よりパフォーマンスの高い処理を行えるように開発することもできる。例えば、Windows PC版ではコンシューマ機よりもGPU世代が上の表現を取り入れて差別化を図ったり、「MT Framework Lite」ではPlayStation 3版専用の表現を加えることなどが可能である。
NVIDIAの支援により同社製ビデオチップに最適化されている。いくつかのゲーム情報サイトで同エンジン搭載ゲームがPCのベンチマークとして利用されている。
カプコンの竹内潤は、「MT Framework」は各タイトル開発プロジェクトごとにマイナーチェンジで機能向上が行なわれ、バージョン番号はタイトルと1対1となっているとコメントしている[2]。
なお、「MT Framework」にはいくつかの問題点が指摘されており、その根本的な改善をするべく、後継となる「RE ENGINE」を開発をした。
World Engine
World Engine(ワールドエンジン)は、カプコンが開発した「MT Framework」を基にしているカスタマイズエンジン。
『モンスターハンター:ワールド』の開発に用いていたものであり、「MT Framework」をほぼ丸ごと改造してしまっている。
使用作品
(予定作品も含む)
- デッドライジング (MTFW 1.0)
- ロスト プラネット エクストリーム コンディション (MTFW 1.1 & 1.2)
- デビルメイクライ4 (MTFW 1.3)
- ロストプラネット コロニーズ (MTFW 1.1 & 1.2)
- モンスターハンター フロンティア オンライン - ベンチマークのみ
- バイオハザード5 (MTFW 1.4)
- ロスト プラネット 2 (MTFW 2.0)
- 戦国BASARA3 (MTFW Lite)
- MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds (MTFW 2.1)
- SUPER STREET FIGHTER IV 3D Edition (MTFW Mobile)
- バイオハザード ザ・マーセナリーズ 3D (MTFW Mobile)
- バイオハザード リベレーションズ (MTFW Mobile)
- ロックマンDASH3 PROJECT (MTFW Mobile) →開発中止
- モンスターハンター3G/HD Ver. (MTFW Mobile)
- ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3 (PS3・Xbox 360版: MTFW 2.x / PS Vita版: MTFW Moblie)
- ドラゴンズドグマ (MTFW 2.x)
- バイオハザード6 (MTFW 2.x)
- エクストルーパーズ (PS3版: MTFW 2.x / 3DS版: MTFW Moblie)
- 逆転裁判5 (MTFW Mobile)
- モンスターハンター4 (MTFW Mobile)
- 戦国BASARA4 (MTFW 2.x)
- モンスターハンター4G (MTFW Mobile)
- バイオハザード リベレーションズ2 (MTFW 2.x)
- 大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險- (MTFW Mobile)
- モンスターハンター:ワールド (MTFWを基にしたワールドエンジンを使用[3])
- ロックマン11 運命の歯車!! (MTFW)
評価・受賞歴
受賞
- CEDEC AWARDS 2008 - プログラミング・開発環境部門 最優秀賞
脚注
注釈
出典
- ^ “Playstation meeting2011 プレゼンテーション”. SCE公式 (2011年1月27日). 2011年2月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月31日閲覧。
- ^ 西川善司の3Dゲームファンのための「MTフレームワーク2.0」講座、GAME Watch、2009年6月13日
- ^ 【E3 2017】『モンスターハンター:ワールド』インタビュー!新たなモンハンの形とは | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト
関連項目
外部リンク
「MT Framework」の例文・使い方・用例・文例
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