へび座ラムダ星
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/13 20:58 UTC 版)
へび座λ星[1] λ Serpentis |
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星座 | へび座 | |
見かけの等級 (mv) | 4.42[2] | |
変光星型 | 疑わしい[3] | |
位置 元期:J2000.0 |
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赤経 (RA, α) | 15h 46m 26.6144291449s[1] | |
赤緯 (Dec, δ) | +07° 21′ 11.041647444″[1] | |
視線速度 (Rv) | -66.07 km/s[1] | |
固有運動 (μ) | 赤経: -224.107 ミリ秒/年[1] 赤緯: -69.384 ミリ秒/年[1] |
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年周視差 (π) | 84.6121 ± 0.2559ミリ秒[1] (誤差0.3%) |
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距離 | 38.5 ± 0.1 光年[注 1] (11.82 ± 0.04 パーセク[注 1]) |
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絶対等級 (MV) | 4.1[注 2] | |
へび座λ星の位置(丸印)
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物理的性質 | ||
半径 | 1.38 R☉[4] | |
質量 | 1.05 M☉[4] | |
表面重力 | 15 G[4][注 3] | |
自転速度 | 2 km/s[4] | |
スペクトル分類 | G0 Vvar[2] | |
光度 | 2.1 L☉[5] | |
表面温度 | 5,920 K[4] | |
色指数 (B-V) | 0.604[2] | |
色指数 (V-I) | 0.66[2] | |
金属量[Fe/H] | -0.01[4] | |
年齢 | 6.3 ×109 年[5] | |
他のカタログでの名称 | ||
へび座27番星, BD+7 3023, GJ 598, HD 141004, HIP 77257, HR 5868, IRC +10295, SAO 121186[1] | ||
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へび座λ星(へびざラムダせい、λ Serpentis、λ Ser)は、へび座(頭部)の恒星である。見かけの等級は4.42で、肉眼でみることができる[2]。ガイアが測定した年周視差に基づく太陽からの距離は、約38.5光年である[1]。
特徴
太陽 | へび座λ星 |
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へび座λ星は、スペクトル型が太陽に近く、G0 Vvar型と分類される。質量は太陽より若干大きく、半径と有効温度も太陽よりやや上、光度は太陽の倍程度と推定される[4][5]。
へび座λ星の視線速度は-66.4km/sと、比較的高速で太陽系に接近している[1]。およそ16万7000年後に、へび座λ星は太陽に最接近し、その時の距離は7.43光年と推定される[6]。
連星・惑星系の可能性
へび座λ星は、視線速度の時間変化から、周期が1837日の分光連星であると考えられた。軌道長半径が5900万km、離心率が0.55という軌道要素も求められた。ただし、半世紀前にリック天文台で測定された視線速度で周期を決め、それを基にキットピーク国立天文台での観測から軌道要素を求めたものであった[7]。この軌道要素については異論が挙がり、データを検証した結果、周期が誤っているとされたり、また、リック天文台で新たに測定された視線速度の分析から、明確な周期が求まらず、視線速度変化も当初求められた数値の数%以下となるなど、疑問視されるようになった[8][9]。結局、分光連星であることを提唱した天文学者自身が後に、視線速度は一定で単独星であるとし、その後の研究でも連星ではないと報告されている[10][11][12]。
一方、へび座λ星は、古くから変光星である可能性が指摘されており、変光星総合カタログにも候補として記載されている[13][3]。ヒッパルコス星表でも、微小な変光の可能性が記載されており、伴天体の兆候かもしれない[14]。
脚注
注釈
- ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
- ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
- ^ 出典での表記は、
15h 46m 26.6144291449s, +07° 21′ 11.041647444″
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