JBRCとは? わかりやすく解説

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JBRC

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/30 15:37 UTC 版)

一般社団法人JBRC
Japan Portable Rechargeable Battery Recycling Center
団体種類 一般社団法人
設立 2009年6月
所在地 〒105-0011
東京都港区芝公園3丁目5番8号
機械振興会館[1]
北緯35度39分35.3秒 東経139度44分43.4秒 / 北緯35.659806度 東経139.745389度 / 35.659806; 139.745389座標: 北緯35度39分35.3秒 東経139度44分43.4秒 / 北緯35.659806度 東経139.745389度 / 35.659806; 139.745389
法人番号 9010405003968
起源 小形二次電池再資源化推進センター(2001年4月
有限責任中間法人JBRC(2004年4月
主要人物 湯浅浩次(代表理事)
活動地域 日本
活動内容 使用済小型充電式電池の自主回収と再資源化
会員数 395法人(2025年3月末)[2]
ウェブサイト https://www.jbrc.com/
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一般社団法人JBRC(ジェービーアールシー[3][1])とは、小型充電式電池の回収・再資源化を行う日本一般社団法人である。英語の名称は「: Japan Portable Rechargeable Battery Recycling Center」である[4]

概要

資源の有効な利用の促進に関する法律(資源有効利用促進法)では、二次電池に含まれる希少金属を再資源化するため、二次電池や二次電池を使用する機器を扱うメーカーや輸入事業者などに対して、回収とリサイクルを義務付けている[5]。ただ、このような再資源化義務を果たすには、二次電池の回収ルートや処理設備の構築は必要不可欠であり、各企業が独自で行うことは現実的ではなかった。そこで複数の企業が共同で、電池工業会の内部組織として「小形二次電池再資源化推進センター」が設立され、加盟する会員企業の小型充電式電池の回収・再資源化を代行することとなった[4]。これが現在のJBRCの前身であり、小型充電式電池の回収を包括的に行っている国内唯一の団体である[6]

2025年3月末現在、JBRCには395の企業が会員として所属しており[2]、これらの会員企業が回収やリサイクルのための費用を負担している。よってJBRCが回収対象とするものは、ニカド電池ニッケル水素電池リチウムイオン電池の充電式電池のうち、JBRCに所属する会員企業が製造・輸入したものに限られる[7]

また充電池の廃棄を依頼することができるのは、JBRCに登録した企業や自治体のみに限られているが、一般消費者については、これらの自治体や店舗(回収ボックスを設けている場所もある)を通じて、充電池を廃棄することができる。なお2024年度現在、JBRCに登録する協力店舗数は7422、市区町村数は707である[2]

歴史

二次電池の普及

1963年頃、三洋電機は民生用ニッケル・カドミウム蓄電池(Ni-Cd、ニカド電池)の量産を開始し[8][9][10]、日本国内で小型の二次電池が流通するようになった[11]。当初、これらの蓄電池の回収ルートは存在しなかったが、1978年、日本蓄電池工業会・日本照明器具工業会・日本火災報知機工業会が共同で、防災用機器に用いられるニカド電池の回収ルートの構築を行った[6]

1990年には、三洋電機松下電池工業ニッケル・水素充電池(Ni-MH)の量産販売を相次いで開始。また1991年には、ソニー・エナジー・テックが世界で初めてリチウムイオン二次電池(Li-ion)の量産化に成功した。この次世代の二次電池の登場も相まって、携帯電話ノートパソコンデジタルカメラなどの持ち運びができる小型の電子機器が爆発的に普及した[11][12]

回収と再資源化の拡大

1991年4月19日再生資源の利用の促進に関する法律(リサイクル法)が成立、同年10月に施行された。この法律に基づき、パソコンや小型二次電池が「指定再資源化製品」に指定され、事業者による回収・再資源化の取り組みが促進されることとなる。また1993年6月には、ニカド電池がリサイクル法における第一種指定製品に、ニカド電池の使用機器が第二種指定製品に分類され、分別回収のための識別表示や電池の取り外しの容易化といった措置が講じられた[13]

これら法令の制定などを機に、リサイクルBOX設置施行や逆流通ルート回収強化が開始[4]。1996年に日本電気大型店協会の全加盟店での回収協力が、1998年には全国電機商業組合連合会の回収協力がスタートするなど、全国の家電量販店スーパーマーケットなどを中心に、二次電池の回収とリサイクルが本格的に拡大した[6]

2001年4月1日、リサイクル法を大幅に改正する形で「資源の有効な利用の促進に関する法律」が施行され[5]、ニカド電池以外の充電池についてもリサイクルマークの表示が義務付けられた[7]。また、これらの小型充電式電池やそれらを内蔵した機器を取り扱うメーカーや輸入事業者などに対して、充電池の回収と再資源化が義務付けられることとなった[14][15]

JBRCの誕生

2001年4月のリサイクル法の改正を契機に、電池工業会内に任意団体「小形二次電池再資源化推進センター」が発足し[16]、87の会員企業が参加した[6][17]

2004年4月にはさらなる事業拡大を目指し、電池工業会内から独立する形で「有限責任中間法人JBRC」が設立され、再資源化業務などが移管された。設立当初の会員数は193法人であった。同年12月に産業廃棄物広域認定(第39号)を取得[18]

その後、2008年12月1日中間法人が廃止されたことを受け、2009年6月に現在の「一般社団法人JBRC」へと名称が変更。

脚注

出典

  1. ^ a b 一般社団法人JBRC”. 国税庁法人番号公表サイト. 国税庁. 2025年7月14日閲覧。
  2. ^ a b c 総務省行政評価局「結果に基づく通知(概要)」『リチウムイオン電池等の回収・再資源化に関する調査』2025年6月25日、2025年7月14日閲覧 
  3. ^ 一般社団法人JBRC”. gBizINFO. 経済産業省. 2025年7月14日閲覧。
  4. ^ a b c 一般社団法人JBRC「JBRC 小型充電式電池リサイクルのご紹介」2019年8月9日、2025年7月14日閲覧 
  5. ^ a b JBRCのご案内”. 一般社団法人JBRC (2025年4月17日). 2025年7月14日閲覧。
  6. ^ a b c d 金澤, 祐一「JBRCにおける小型充電式電池の 回収・再資源化の実態と今後について」『環境管理 = Environmental management / 産業環境管理協会 編』第57巻第4号、27-33頁、CRID 1522543655942420096ISSN 134025522025年7月14日閲覧 
  7. ^ a b 廃棄方法(回収対象/対象外説明)”. 一般社団法人JBRC (2025年4月16日). 2025年7月14日閲覧。
  8. ^ 電池の歴史”. 電池を学ぶ・体験する. パナソニックエナジー. 2025年7月14日閲覧。
  9. ^ 暖水, 慶孝「二次電池の進化と将来」『NTTファシリティーズ総研レポート』第24巻、NTTファシリティーズ総研、2013年6月。 
  10. ^ 小寺, 信良 (2011年9月15日). “「充電長持ち」から始まった三洋の電池戦略”. MONOist. ITmedia. 2025年7月14日閲覧。
  11. ^ a b 電池の歴史3 小型充電式電池(二次電池)”. 電池工業会. 2025年7月14日閲覧。
  12. ^ 総務省 (7 2019). “ICTとデジタル経済は どのように進化してきたのか”. 令和元年版 情報通信白書 . https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/pdf/n1100000.pdf. 
  13. ^ 環境庁 (1996年6月). “平成8年版環境白書”. 環境省. 2025年7月14日閲覧。
  14. ^ 小型充電式電池のリサイクル および購入・廃棄時のお願い”. 電池工業会. 2025年7月14日閲覧。
  15. ^ 財団法人クリーン・ジャパン・センター『早わかり資源有効利用促進法』2002年3月https://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/data/pamphlet/pdf/3r.pdf2025年7月14日閲覧 
  16. ^ 川邉裕 (2022年1月26日). “使用済みリチウムイオン電池のリサイクルは今、どうなっているのか”. MONOist. ITmedia. 2025年7月14日閲覧。
  17. ^ 市場, 正夫「小形二次電池のリサイクリング」『Journal of MMIJ』第123巻第12号、2007年、806-810頁、doi:10.2473/journalofmmij.123.8062025年7月14日閲覧 
  18. ^ 産業廃棄物広域認定制度の認定状況”. 環境省 (2025年5月2日). 2025年7月14日閲覧。

関連項目

外部リンク




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