グリーゼ251とは? わかりやすく解説

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グリーゼ251

(GJ 251 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/21 23:39 UTC 版)

グリーゼ251
Gliese 251
星座 ふたご座
見かけの等級 (mv) +10.11[1]
分類 赤色矮星
軌道要素と性質
惑星の数 2
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  06h 54m 48.96009s[2]
赤緯 (Dec, δ) +33° 16′ 05.4393″[2]
視線速度 (Rv) 22.91 km/s[3]
固有運動 (μ) 赤経: -723.99 ミリ秒/[2]
赤緯: -398.40 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π) 179.16 ± 0.06ミリ秒[4]
(誤差0%)
距離 18.205 ± 0.006 光年[注 1]
(5.582 ± 0.002 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 11.23[5]
物理的性質
半径 0.364 ± 0.011 R[4]
質量 0.360 ± 0.015 M[4]
表面重力 (logg) 4.87 ± 0.05[6]
自転速度 ≤ 2 km/s[4]
スペクトル分類 M3.0Ve[7]
光度 0.0155 ± 0.0004 L[6]
有効温度 (Teff) 3,342 ± 24 K[6]
金属量[Fe/H] 0.07+0.07
−0.06
[6]
年齢 68+46
−47
億年[6]
他のカタログでの名称
GJ 251, HD 265866, HIP 33226, LHS 1879, LTT 11941, ロス578, ウォルフ294, 2MASS J06544902+3316058[8]
Template (ノート 解説) ■Project

グリーゼ251英語: Gliese 251HIP 33226HD 265866 とも呼ばれる)とは、太陽系から約18光年離れた位置にある恒星である。ふたご座に位置し、この星座の中で最も近い恒星である[9]ふたご座θ星から49分角離れた、ぎょしゃ座との境界近くに存在する。見かけの等級は10等級であるため、肉眼では観測できない[1]太陽系から74番目に近い恒星であり[10]、グリーゼ251に最も近い恒星は、3.5光年離れた位置に存在するグリーゼ268である[11]

グリーゼ251は、有効温度が約 3,300 Kスペクトル分類がM3V型の赤色矮星である[7]。その質量半径は共に太陽の 36% である[4]。以前はグリーゼ251の金属量は太陽よりわずかに少ないとされていたが[4]、現在ではやや多いと推測されている[6]赤外線波長での観測から、周囲に星周円盤が存在しているという兆候はみられていない[12]

惑星系

2019年に、ドップラー分光法による観測から2個の候補惑星が検出され、1.74日と607日の公転周期でグリーゼ251の周囲を公転していると考えられた[13]

しかし、CARMENESによるデータを用いて解析が行われた2020年の研究では、両方の信号が恒星の活動によって引き起こされたことがわかったため、両者の候補惑星は存在しないことが判明した。しかしそれとは別に、CARMENESのデータから約14.2日の周期で公転するスーパーアースであるグリーゼ251b (GJ 251 b) がグリーゼ251の周囲を公転していることが明らかになった[4]

2025年には、20年以上に渡る過去の700件のアーカイブデータの精度を向上させてマクドナルド天文台ホビー・エバリー望遠鏡に搭載されている近赤外線分光器 Habitable-Zone Planet Finder によって得られた主星の視線速度変化の観測データとを照らし合わせた結果、グリーゼ251bの外側を公転している別の惑星グリーゼ251c (GJ 251 c) が存在することが確かめられた。グリーゼ251cはグリーゼ251bとほぼ同程度の下限質量を持つスーパーアースであると考えられ、約53.6日の公転周期で公転している。他の赤色矮星を公転している大部分の太陽系外惑星よりも主星からの距離が遠いが、主星グリーゼ251が赤色矮星としては比較的大きいことから、グリーゼ251cはグリー251系内におけるハビタブルゾーン内のほぼ中間に位置している。厚い大気や強力な磁気圏を有していれば、恒星風による大気の散逸が防がれている可能性もあるとされている。地球からの距離が近いため、将来的に30メートル望遠鏡のような口径 30 m 規模の望遠鏡を用いてグリーゼ251cを直接観測できる可能性があり、ハビタブルゾーン内にある地球型惑星を直接観測できる有望な候補とされている[6][10][14]

グリーゼ251の惑星[6]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b ≥3.85+0.35
−0.33
 M
0.0808 ± 0.0042 14.2370 ± 0.0015 0
c ≥3.84 ± 0.75 M 0.196 ± 0.0014 53.647 ± 0.044 0

脚注

注釈

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算

出典

  1. ^ a b Høg, E. (2000). “The Tycho-2 catalogue of the 2.5 million brightest stars”. Astronomy and Astrophysics 355: L27–L30. Bibcode2000A&A...355L..27H. 
  2. ^ a b c d van Leeuwen, F. (2007). “Validation of the new Hipparcos reduction”. Astronomy and Astrophysics 474 (2): 653–664. arXiv:0708.1752. Bibcode2007A&A...474..653V. doi:10.1051/0004-6361:20078357. http://www.aanda.org/index.php?option=com_article&access=bibcode&Itemid=129&bibcode=2007A%2526A...474..653VFUL. 
  3. ^ Nidever, David L. (2013). “Radial Velocities for 889 Late-Type Stars”. The Astrophysical Journal Supplement Series 141 (2): 503–522. arXiv:astro-ph/0112477. Bibcode2002ApJS..141..503N. doi:10.1086/340570. 
  4. ^ a b c d e f g Stock, S. et al. (2020), “The CARMENES search for exoplanets around M dwarfs Three temperate-to-warm super-Earths”, Astronomy & Astrophysics A112: 643, arXiv:2010.00474, Bibcode2020A&A...643A.112S, doi:10.1051/0004-6361/202038820 
  5. ^ ARICNS 4C00526”. ARICNS. 2017年2月8日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h Beard, Corey; Robertson, Paul; Lubin, Jack et al. (2025). “Discovery of a Nearby Habitable Zone Super-Earth Candidate Amenable to Direct Imaging”. The Astronomical Journal 170 (5): 279. arXiv:2510.19956. doi:10.3847/1538-3881/ae0e20. 
  7. ^ a b Lépine, Sébastien (2013). “A Spectroscopic Catalog of the Brightest (J < 9) M Dwarfs in the Northern Sky”. The Astronomical Journal 145 (4): 102. arXiv:1206.5991. Bibcode2013AJ....145..102L. doi:10.1088/0004-6256/145/4/102. 
  8. ^ “GJ 251”, SIMBAD, Centre de données astronomiques de Strasbourg, 2017年2月8日閲覧
  9. ^ Closest Stars”. 2017年2月8日閲覧。
  10. ^ a b Paul M. Robertson (2025年10月23日). “HPF Discovers a Potentially Earth-like Exoplanet That Could Be Imaged by Next-Generation Telescopes”. hpf.psu.edu. Habitable Zone Planet Finder. 2025年10月27日閲覧。
  11. ^ Stars within 15 light-years of Wolf 294”. The Internet Stellar Database. 2017年2月7日閲覧。
  12. ^ Beichman, C. A. (2006). “New Debris Disks around Nearby Main-Sequence Stars: Impact on the Direct Detection of Planets”. アストロフィジカルジャーナル 652 (2): 1674–1693. arXiv:astro-ph/0611682. Bibcode2006ApJ...652.1674B. doi:10.1086/508449. 
  13. ^ Barnes, J. R.; et al. (11 June 2019). “Frequency of planets orbiting M dwarfs in the Solar neighbourhood” (英語). arXiv:1906.04644 [astro-ph.EP].
  14. ^ Keith Cooper (2025年10月23日). “Super-Earth less than 20 light-years away is an exciting lead in the search for life”. Space.com. 2025年10月27日閲覧。



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