金融戦略・経営財務プログラムとは? わかりやすく解説

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金融戦略・経営財務プログラム

(Financial Strategy Program から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/16 17:51 UTC 版)

一橋大学大学院経営管理研究科・商学部 > 金融戦略・経営財務プログラム

金融戦略・経営財務プログラム(きんゆうせんりゃく・けいえいざいむプログラム、英: Financial Strategy Program, 通称:FS)は、日本の国立大学である一橋大学大学院経営管理研究科(一橋ビジネススクール、HUB)が提供する専門職大学院課程である。

東京都千代田区一ツ橋の千代田キャンパスを拠点とし、ファイナンス理論と実務を高度に融合させた日本屈指の金融ビジネススクールである。専門実践教育訓練給付金の対象プログラムである。

概要

本プログラムは、商法講習所に始まる一橋大学のビジネス教育の伝統を受け継ぎ、2000年に日本初の「夜間・土曜開講」の金融特化型専門職大学院として設立された。

「ファイナンス」を単なる数理的技術としてだけでなく、企業の意思決定や社会インフラとしての視点から捉える教育を特徴とする。2021年には、日本の国公立大学として初めて国際的なビジネス教育認証機関であるAACSBの認証を取得し、その教育品質は世界水準として保証されている。

沿革

2000年、国際企業戦略研究科(School of International Corporate Strategy、ICS)が一橋大学の6番目の大学院研究科として設置され、その一環として国際経営戦略コース(英語プログラム、現・国際企業戦略専攻、通称ICS)および金融戦略コース(日本語プログラム)が創設。学術総合センターの竣工により千代田キャンパスが開設され、東京都千代田区神田一ツ橋の地にて新たな教育拠点が誕生した。この地は一橋大学発祥の地であり、歴史的にも重要な意味を持つ[1]

2006年、金融戦略コースは金融戦略・経営財務コースへと改称。

2018年、一橋大学のビジネス教育の総合ブランドとして一橋ビジネススクール(Hitotsubashi University Business School:HUB)が設立。また経営管理研究科の発足に伴い、ICS金融戦略・経営財務コースは、SBA金融戦略・経営財務プログラム(Financial Strategy Program、 通称FS[2])に名称変更。

2021年、経営管理専攻・商学部(SBA)および国際企業戦略専攻(ICS)が、国際的なビジネス教育の質保証機関であるAACSBの認証を、日本の国公立大学として初めて取得[3]

教育の特徴

カリキュラム

2年間の課程を通じて、コア科目(投資理論、コーポレート・ファイナンス等)から応用科目(フィンテックM&A戦略、リスクマネジメント等)までを体系的に学ぶ。特にデータサイエンスAIの進展に合わせた計量分析科目の拡充が図られている。

ワークショップ(ゼミナール)

本プログラムの根幹をなす少人数制指導。学生は指導教員のもとで2年間かけて、実務上の課題を理論とデータで解決するプロジェクト・ペーパー(修士論文)を執筆する。

アドミッション・ポリシー

本プログラムは、多様なバックグラウンドを持つ学生が互いに刺激し合うことで、学習成果やキャリア形成の財産を築くことを重視している。そのため、金融業界出身者に限らず、製造業、サービス業、IT、マスコミなど幅広い業界からの社会人を求めている[4]

入学にあたっては、以下の能力を備えていること、あるいは入学までに自ら努力して改善・習得する意欲があることが求められる。

入学者に求められる基本能力(単位取得に必須)

講義およびワークショップ(ゼミ)を履修し、修士号を取得するために最低限必要となる能力である[4]

  • 主体的問題解決意識:自分の頭で考え、論理的に問題を解決しようとする強い姿勢。
  • コミュニケーション能力:自分の考えを論理的な口頭発表や文章で表現する力に加え、他者の考えを傾聴し、建設的な意見交換ができること。
  • 英語読解力:英語で書かれた専門書籍や学術論文を精読できる能力。
  • 数学的素養:ファイナンス理論や統計分析の基礎として、少なくとも高等学校卒業レベルの数学(微分・積分数列とその和)を理解していること。
  • ITスキル:ワープロ、表計算ソフト(Excel等)を実務で支障なく操作できること。

学習を深化させるための推奨能力

より質の高い学習や、高度な修士論文(プロジェクト・ペーパー)を作成するために、習得していることが望ましい能力である[4]

  • 社会科学の基礎知識:経済学会計学経営学統計学の基本的理解。特に財務会計や企業価値評価の知識、財務諸表分析の実務経験は、コーポレート・ファイナンスの研究において重要な基礎となる。
  • 実践的英語力:外国人教員やゲストスピーカーによる英語の講義を理解し、英文レポートの作成や、英語でのケーススタディ討議に参加できる能力。
  • データ分析・プログラミングスキル:
    • 統計学・計量経済学ソフトウェア(R、SAS、Gauss、Eviews、Stata等)の利用経験。
    • プログラミング言語(CC++Python等)や数値計算プログラム(MATLABMathematica等)を用いた数値シミュレーション経験。
  • 高度な数理能力:大学学部レベルの線形代数多変量解析微分方程式確率論、中級以上の統計学の理解(高度な理論モデル構築に必要となる)。
  • 幅広い学問的視野:商学、歴史学、社会学、心理学など、ファイナンスと密接に関連する多様な社会科学の知見。

入試情報(社会人選考)

社会人のキャリア形成を支援するため、筆記試験を課さない選考方式を採用している[5]

  • 出願資格: 入学時点において企業・官公庁等における原則2年以上の実務経験を有する者。
  • 選考方法:
    • 1次試験:書類選考(志望理由書、研究計画書、実務経験報告書等)
    • 2次試験:口述試験(面接)

修了生の活躍

教員

本プログラムの教員陣は、ファイナンスの各分野において国際的な研究成果を持つ専任教員と、実務界の第一線で活躍する実務家教員・客員教授によって構成されている[6]

専任教員

  • 大橋和彦 教授。専門:金融市場論、金融商品論、エナジーファイナンス
  • 中川秀敏 教授。専門:金融リスク計量モデル、数理ファイナンス
  • 野間幹晴 教授。専門:財務会計、企業価値評価、企業変革
  • 本多俊毅 教授。専門:ファイナンス(証券投資、資産価格モデル)
  • 横内大介 教授。専門:データサイエンス、統計科学、データベース論
  • 折原正訓 准教授。専門:コーポレートファイナンス
  • 篠崎裕司 准教授。専門:数理ファイナンス
  • 清水良樹 准教授。専門:資産価格理論の実証研究、不動産ファイナンス、都市経済学、空間計量経済学
  • 祝迫得夫 教授(経済研究所兼任)。専門:ファイナンス

特任教員・客員教授

かつて在籍した主な教員

脚注

  1. ^ HUBの歴史|金融戦略・経営財務プログラム”. www.fs.hub.hit-u.ac.jp. 2025年6月9日閲覧。
  2. ^ HUB金融戦略・経営財務 [一橋ビジネススクール|一橋大学大学院 経営分析研究科 金融戦略・経営財務プログラム]”. www.fs.hub.hit-u.ac.jp. 2025年6月9日閲覧。
  3. ^ HUBの歴史|金融戦略・経営財務プログラム”. www.fs.hub.hit-u.ac.jp. 2025年6月9日閲覧。
  4. ^ a b c 求める人材、養成される能力”. 一橋ビジネススクール 金融戦略・経営財務プログラム. 2026年1月28日閲覧。
  5. ^ 募集要項・出願書類(社会人選考)”. 一橋ビジネススクール 金融戦略・経営財務プログラム. 2026年1月28日閲覧。
  6. ^ 教員紹介”. 一橋ビジネススクール 金融戦略・経営財務プログラム. 2026年1月28日閲覧。

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