FimHアドヘシン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 09:35 UTC 版)
最も解析が進んでいるアドヘシンは1型線毛FimHアドヘシンである。このアドヘシンはD型マンノース感受性接着を担う。細菌はFimHアドヘシンを合成する際、300個ものアミノ酸から成る前駆タンパク質を合成する。そして、いくつかのシグナルペプチドを除去してこのタンパク質を最終的に279アミノ酸残基に加工する。FimHの成熟過程はFimHを1型線毛の構成要素とするために行われ、細菌細胞表面で見られる。 1999年、FimHの構造はX線結晶構造解析によって決定された。FimHには2つのドメインがある。接触している物体表面の認識をN末端の接着ドメインが主に役割とし、C末端ドメインはアドヘシン自身を線毛等器官に組み込ませる。2つのドメインは4個のペプチドによるループ構造によってつながっている。また、炭水化物と結合するためのポケットがN末端接着ドメインの先端に確認されている。この基本的な構造は1型線毛アドヘシンで保存されている。in vitroでの変異導入はC末端ドメインの特異性を付与し、二重曲げ部位とそれに関連した接着表現型を伴う細菌接着をもたらす。
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