EUの反応
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「2015年欧州難民危機」の記事における「EUの反応」の解説
2015年4月19日、イタリアのマッテオ・レンツィ首相はマントヴァの閣僚会合からローマに戻ると、フランスのフランソワ・オランド大統領、そしてマルタのジョゼフ・ムスカット首相と電話で話し。彼らは相次ぐ移民の死亡事故に関して緊急のヨーロッパ内相会談の開催を呼びかけることで合意した。レンツィは移民仲介(human trafficking)を現代の奴隷貿易だとして非難し、マルタのムスカット首相は4月19日の沈没事故を人類にとってここ数年で最悪の悲劇であると言及した。オランド大統領は移民ブローカーを移民の命を危険にさらすテロリストであると表現した。ドイツの移民・難民問題の担当官(Aydan Özoğuz氏)は気候が暖かくなればさらに移民が増えると見込まれること、そして捜索・救助作戦を再開する必要性に言及した。加え、マレ・ノストラム(Mare Nostrum、イタリアが単独で行っていた移民船の捜索、救助作戦)の停止が増加する危険な地中海縦断の旅に歯止めをかけるという考えは幻想だ、と語った。4月20日のルクセンブルク会合に先立ってフェデリカ・モゲリーニ欧州連合外務・安全保障政策上級代表は、EUが共同で行動を起こすことを呼びかけた。 記者会見でレンツィは、悲劇について話し合うための臨時の欧州理事会会合のなるべく早い開催を呼びかけていると語り、様々なヨーロッパの指導者たちはそれに賛同した。4月19日イギリスの政治家のナイジェル・ファラージがリビアのキリスト教徒たちを保護するようにと政府に求め、イタリア沖で移民たちが命を落とす事件についてイギリスのデーヴィッド・キャメロン首相とフランスのニコラ・サルコジ元大統領を非難した。ファラージは、リビアに起きている国外脱出はキャメロンとサルコジの承認した西側諸国の武力介入が原因となっていると主張した。キャメロンは4月20日、レンツィによる地中海移民問題の包括的解決を探すためのEU首脳会談の呼びかけを支持するとツイートした。キャメロン首相は後に木曜日のヨーロッパ首脳による緊急会合に参加することを確認した。
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