Digital subscriber line access multiplexerとは? わかりやすく解説

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DSLAM

フルスペル:Digital Subscriber Line Access Multiplexer
読み方ディースラム

DSLAMとは、xDSL回線多重化して基幹回線へと接続するために用いられる機器である。

SDLAMは複数のxDLS用信号をまとめ、一つ信号として基幹回線へ送る役割を持つ。主に、商用xDSLサービス事業者によって電話局内に設置されている。

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DSLAM

(Digital subscriber line access multiplexer から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 18:25 UTC 版)

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Siemens DSLAM SURPASS hiX 5625

DSLAMDigital Subscriber Line Access Multiplexer)は、デジタル加入者線 (DSL) で使われるネットワーク機器である。電話局側にあり、複数の加入者線を多重化して、高速なインターネットバックボーンに接続する[1]。電話会社の電話交換機とは遠隔にDSLAMを配置することで、DSLサービスの提供可能な距離を伸ばすことができる。

DSLAM までのデータ経路

接続経路
  1. 住宅/商業施設などの発信源: 加入者のコンピュータがDSLモデムに接続される。
  2. ローカルループ: 加入者宅から最寄りの電話局までの(電話会社が所有する)電話回線。ラストワンマイルとも呼ばれる。
  3. 中央集配線盤 (MDF): 加入者向けの配線と内部の配線を相互接続するための集線盤。デジタル加入者線では、スプリッタで配線を分岐しDSLAMに接続する。
  4. DSLAM: DSLサービスのための機器。

DSLAM の役割

DSLAMには多数のDSLモデムポートがあり、そこから入ってきたデジタル信号を集め、多重化してひとつの信号にする。DSLAMの機種によっては、DSL以外にも Asynchronous Transfer Mode (ATM)、フレームリレーIPネットワーク(後述するIP-DSLAM)なども多重化する。

多重化された信号は局内の基幹交換機を通して最大10Gbit/sのアクセスネットワークに接続され、インターネットサービスプロバイダに送られる。

OSI参照モデルでいえば、DSLAMは純粋なデータリンク層の装置であり、巨大なスイッチングハブのような働きをする。

DSLAMは必ずしも電話局に設置されるとは限らず、より加入者に近い局外設置もある(これをSAI、Serving Area Interface という)。これとFTTxを組み合わせることもある。

DSLAMはマルチプレクサというだけでなく、DSLモデムの集合体でもある。各モデムは加入者側のDSLモデムと通信する。モデム群はDSLAMとして一体化しており、個別のモデムがハードウェアとして独立して内蔵されているわけではない。従来のモデムと同様、このDSLモデムは回線を調べ、最大データ転送速度を出せるように適応する能力がある。物理的には同じツイストペアケーブルを使っていても、イーサネットよりもDSLサービスの方が長距離の通信が可能なのは、このためでもある。

速度と距離

野外に置かれたDSLAM。右側のMDFより左側のDSLAMに配線している

ツイストペアケーブルでは、周波数が高いほど減衰が激しい。従って、DSLAMと加入者の距離が長いほど、データ転送レートは低くなる。以下に距離とデータ転送レートの大まかな関係を示す。実際の条件によっても大きく変化するが、2kmを超える場合は、より近い場所にDSLAMを設置しないとそれなりの転送速度は得られない。

  • 25 Mbit/s - 約300m
  • 24 Mbit/s - 約600m
  • 23 Mbit/s - 約900m
  • 22 Mbit/s - 約1.2km
  • 21 Mbit/s - 約1.5km
  • 19 Mbit/s - 約1.8km
  • 16 Mbit/s - 約2.1km
  • 1.5 Mbit/s - 約2.8km
  • 800 kbit/s - 約5.2km

(0.40mm銅線の場合)

追加機能

DSLAMは、加入者から上流のルーターに渡す際にVLANトラフィックにタグ付けする機能を持っていることがある。完全なファイアウォールというわけではないが、パケットフィルタリングを行うDSLAMもあり、ポート間トラフィックを排除したり、特定の通信プロトコルのパケットを排除する。

DSLAMはまた、DiffServ優先度付きキューなどの Quality of Service (QoS) をサポートしている。

ハードウェアの詳細

加入者のコンピュータはADSLモデムやDSLルーター経由で普通のツイストペアケーブルの電話線で公衆交換電話網と接続され、DSLAMに接続される。DSLAMには複数の集合カードがあり、各カードには複数の入出力ポートがあって、それぞれが加入者の線と接続される。典型的な集合カードには24個程度のポートがあるが、個数は機種によって異なる。DSLAMを格納する筐体には48ボルト直流電源が供給される。典型的なDSLAMには、電源装置、DSLAM筐体、集合カード、ケーブル、上流リンクが含まれる。上流リンクとしては、ギガビット・イーサネットや数ギガビットの光ファイバーリンクが使われることが多い。

IP-DSLAM

IP-DSLAM (Internet Protocol Digital Subscriber Line Access Multiplexer) は、トラフィックのほとんどをIPベースで行うものである。

従来のDSLAMは、上流にATMルーター/スイッチがあって、ATM回線で接続されていた。そして、ATMルーター/スイッチでIPトラフィックを抽出して、IPネットワークに渡していた。IP-DSLAM では、DSLAM自身がIPトラフィックを抽出する。従って、高価なATM機器が不要となり、同時に機能的にも向上する。

脚注

  1. ^ Digital Subscriber Line Access Multiplexer (DSLAM)”. iec.org. 2008年2月16日閲覧。

関連項目

外部リンク


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