ダリット
インド社会における身分差別の中でもっとも底辺に位置づけられる、「不可触民」(不可触賤民)と呼ばれる人々が、自らに対して用いる呼称。
ダリットはヒンドゥー教に基づく身分制度の「ヴァルナ」、すなわちバラモン・クシャトリア・ヴァイシャ・シュードラのいずれにも属さず、さらに最底辺に位置づけられる。その生業も、屠殺や清掃といった、汚穢や不浄と結びつく仕事であることが多い。
現代のインドにおいても身分差別は厳然として残っており、特に若いダリットの女性に対する性的搾取あるいはレイプ問題が問題視されている。産経新聞は2012年11月5日付けの記事で、北インドで相次いだ輪姦および被害者側の自殺に関する問題について論じている。
関連サイト:
インド北部のレイプ事件 最下層の少女が標的に - MSN産経ニュース 2012年11月5日
ダリット解放運動 Dalit
これに対し、インド建国の父といわれているマハトマ・ガンジーは、彼らを「ハリジャン」(神の子)と呼び、差別の撤廃を主張しました。しかし、ガンジー自身は熱心なヒンズー教徒で、カースト制度自体の廃止は考えず、社会を維持していくのに必要なシステムとして受け入れていました。
アンベードカルはダリット出身で、英国からの独立よりも、まずカースト制度の廃止を叫び、差別・抑圧からの開放のために闘いました。これが「ダリット解放運動」です。
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