ALPSの運転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 08:52 UTC 版)
「福島第一原子力発電所事故」の記事における「ALPSの運転」の解説
2012年10月、トリチウム以外の62核種の放射性物質を汚染水から除去できる多核種除去装置「ALPS」(アルプス・Advanced Liquid Processing System)を東芝が完成した。2013年3月25日、原子力規制委員会が、評価に基づき試運転の実施に向けた原子炉施設保安規定の変更を認可、東電は試運転(ホット試験)を月内にも開始すると発表した。1日250トンを処理できる能力を持つ3系統があり、この内1系統で3月下旬から試運転が行われた。そして6月15日に、4月から試験運転していたA系でタンクの腐食による水漏れトラブルが発生した。東電は7月25日に、汚染水に含まれる塩化物イオンや次亜塩素酸の影響で、厚さ約9ミリメートルのタンクの溶接部分で腐食が進み、微細な穴が開いたことを明らかにした。そこで、まずタンクの内側にゴムを張ることとし、次に試運転中のB系統も8月初めに停止してタンクを補修、さらにまだ試運転を始めていないC系統も対策を取ることとした。そして全ての系列が停止した。9月中旬には1基目の運転再開を目指していた。年内本格稼動の予定であった。除去できないトリチウム入り汚染水はタンクに保管して希釈した上で海洋に放出する予定であるが、漁業者の反対が多く放出時期の目処は立っていない。この点、既に東電側がトリチウムの安全性を主張していた。しかし、これに対する批判は多い。
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