ABT-737とナビトクラックス(ABT-263)
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「Bcl-2」の記事における「ABT-737とナビトクラックス(ABT-263)」の解説
2000年代半ばに、アボット・ラボラトリーズはABT-737(英語版)と呼ばれるBcl-2、Bcl-xL、Bcl-wに対する新規阻害薬を開発した。この化合物はBH3を模倣した低分子阻害薬で、これらのBcl-2ファミリータンパク質を標的とするが、A1やMcl-1は標的とはならない。ABT-737はBcl-2、Bcl-xL、Bcl-wに対してより高い親和性で結合する点でこれまでのBcl-2阻害剤よりも優れていた。In vitroでの研究によって、B細胞悪性腫瘍の患者由来の初代細胞はABT-737に対する感受性を示した。 動物モデルでは、ABT-737は生存率を改善し、腫瘍の退縮を引き起こし、高い割合でマウスを治癒した。患者由来の異種移植片を用いた臨床前研究では、ABT-737はリンパ腫や他の血液のがんの治療に効力を示した。ABT-737の薬理学的性質は臨床試験に適していなかったが、経口バイオアベイラビリティの高い誘導体ナビトクラックス(英語版)(ABT-263)は小細胞肺がん細胞株に対して同様の活性を示し、臨床試験が開始された。ナビトクラックスに対する臨床反応は有望なものであったが、血小板でのBcl-xLの阻害のため、血小板減少症(英語版)による用量制限毒性が治療中の患者で見られた。
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