5-サイト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/26 10:06 UTC 版)
5-サイトモデルは、四面体様配置を持つ酸素原子の孤立電子対を表現する2つのダミー原子(Lと表示される)上に負電荷を置く。これらの種類の初期のモデルは1971年に提唱されたBen-NaimとStillingerのBNSモデルであり、すぐに1974年のStillingerとRahmanのST2モデルに継承された。主にそれらの高い計算コストのため、5-サイトモデルは、MahoneyとJorgensenのTIP5Pモデルが発表された2000年まではあまり開発されなかった。それ以前のモデルと比較した時、TIP5Pモデルは水二量体の構造(中性子散乱から得られる実験的動径分布関数をよく再現する、より「四面体型」な水構造)と水の密度が最大となる温度という点が改善している。TIP5P-Eモデルはエバルト和と共に用いるためにTIP5Pを再パラメータ化したものである。 BNSST2TIP5PTIP5P-Er(OH), Å1.0 1.0 0.9572 0.9572 HOH, deg109.47 109.47 104.52 104.52 r(OL), Å1.0 0.8 0.70 0.70 LOL, deg109.47 109.47 109.47 109.47 A × 10−3, kcal Å12/mol77.4 238.7 544.5 554.3 B, kcal Å6/mol153.8 268.9 590.3 628.2 q(L)−0.19562 −0.2357 −0.241 −0.241 q(H)+0.19562 +0.2357 +0.241 +0.241 RL, Å2.0379 2.0160 RU, Å3.1877 3.1287 しかしながら、BNSおよびST2モデルは静電項についてクーロンの法則を直接的に使用しないことに注意する必要がある。これらのモデルは短距離においてスイッチング関数S(r) S ( r i j ) = { 0 , if r i j ≤ R L ( r i j − R L ) 2 ( 3 R U − R L − 2 r i j ) ( R U − R L ) 2 , if R L ≤ r i j ≤ R U 1 , if R U ≤ r i j {\displaystyle S(r_{ij})={\begin{cases}0,&{\mbox{if }}r_{ij}\leq R_{L}\\{\frac {(r_{ij}-R_{L})^{2}(3R_{U}-R_{L}-2r_{ij})}{(R_{U}-R_{L})^{2}}},&{\mbox{if }}R_{L}\leq r_{ij}\leq R_{U}\\1,&{\mbox{if }}R_{U}\leq r_{ij}\end{cases}}} を掛けることで静電項を縮小する。したがって、RL およびRUパラメータはBNSおよびST2にのみ適用される。
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