-30シリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/02/21 08:16 UTC 版)
-21型でも太平洋横断路線に使用するにはまだまだ航続距離が不足していたため、燃料タンクを増設し、主翼用翼端を延長するなどの改修を施されて登場した本格的な長距離国際線用で-31型・-32型・-33型の三種類が製造された。 -31型はJT4A-9を装備し、最大離陸重量を300,000ポンドにした機体であったが、まだ性能不足のため、わずか4機で製造が打ち切られた。 -32型はJT4A-9またはJT4A-10を装備し、最大離陸重量が310,000ポンドに引き上げられた結果、航続性能が大幅に改善された。これにより航空各社から注文が殺到し、43機が製造された。日本航空もこの-32型を受領し、1960年8月12日に太平洋線に就航させた。なお、日本航空では1961年4月24日に羽田空港でオーバーランし機体に大きな損傷を受けたDC-8-32(JA8003)のエンジンをダグラス社でJT3D-3に換装させ、-53型(JA8008)として再使用した。 -33型は特に日本航空やスカンジナビア航空からの要望で北回りヨーロッパ線に就航させることを狙った機体でJT4A-11またはJT4A-12を装備し、最大離陸重量を315,000lbに引き上げた機体である。この頃-50シリーズが発表されたため、製造された機体はわずか10機だった。 これらのDC-8初期型はターボファンエンジンと違いバイパス構造を持たないターボジェットエンジン搭載のため、静粛性や燃費の面で劣り、航続距離も航空会社の要求を満たす物ではなかったため(気象条件によっては東京 - ホノルル間をノンストップで飛べないこともあった)、後にターボファンエンジンを搭載した-50シリーズが登場すると、多くの航空会社は早期にエンジンの換装、発注機種の切り替えを行った。
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