バルトーク:3つのチーク県の民謡
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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バルトーク:3つのチーク県の民謡 | 3 Csik megyei nepdal Sz.35 | 出版年: 1908年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | ルバート No. 1. Rubato | 1分30秒 | No Image |
2 | リステッソ・テンポ No. 2. L'istesso tempo | 1分00秒 | No Image |
3 | ポコ・ヴィーボ No. 3. Poco vivo | 1分00秒 | No Image |
作品解説
1904年、ハンガリー農民の歌ううたに心を奪われてから、バルトークは民謡の収集を志し、1906年から本格的な民謡の収集を開始した。1907年の夏には、チーク県(現在ルーマニア)に訪れ、1ヶ月以上にわたって民謡収集を行っている。この旅の途中で、バルトークはある羊飼いの老人が吹く笛に感動し、この旋律を、笛とピアノのために編曲した。その数ヶ月後、それをピアノ独奏用に編曲したものが、この《3つのチーク県の民謡》である。これは、バルトークが民族音楽を編曲したはじめてのピアノ作品である。
第1曲:村人が吹く笛による、単純な旋律が、さまざまな装飾音をもって奏される。即興的要素の強い装飾であり、その演奏は容易とはいえない。ドリア調。
第2曲:エオリア旋法による旋律が、テンポを微妙なゆれの中で奏される。親に反対をうける恋人同士の嘆きを歌った歌。
第3曲:テンポジュストではっきりと刻まれる拍にのせて、民俗音楽の旋律がうたわれる。徴兵命令により、故郷への別れを告げる少年たちの歌。なお、この曲に登場する旋律は、《8つのハンガリー民謡》の第五曲でも、用いられている。3曲中、演奏難易度は、比較的容易。
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