2人乗務と3人乗務
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 05:15 UTC 版)
「ボーイング767」の記事における「2人乗務と3人乗務」の解説
ところが、767を2人乗務とすることに対しては、「航空機関士の役目を軽視している」「航空機関士の仕事を奪う」「4つの目で見るより6つの目で見るほうが安全性が高い」などの理由により、アメリカの航空会社各社の乗員組合から反対の声が上がった。このため、ボーイング側でも乗員組合に配慮し、ローンチ当初は2人乗務仕様と3人乗務仕様という2種類のコックピットを製造すると表明した。このため、アメリカのほとんどの航空会社は3人乗務機として発注していたのである。 とはいえ、ボーイングは「767のハイテク・コックピットは2人乗務だからこそ本領を発揮する」と考えていたため、2人乗務の実現を求めて、政府機関まで巻き込んだ駆け引きが続いた。最終的に1981年に、アメリカ政府の諮問委員会が「2人乗務であっても安全性は損なわれない」と結論を出したことによって、最終的にはすべての航空会社が2人乗務機としての発注に切り替えた。 しかし、これは767の製造ラインにも影響を及ぼした。すでに30号機までは3人乗務機として製造を進めていたため、まず3人乗務機として完成させた上で機器のチェックを行い、その後2人乗務機に改修するという手順を採らなければならなかったのである。 ともあれ、767は最初から2人乗務機として営業運航が行われることになり、1982年7月30日に型式証明を取得、同年8月19日にはローンチカスタマーであるユナイテッド航空への引渡しが行われたのである。
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