あら・ぶ【荒ぶ】
さ・ぶ【▽荒ぶ】
読み方:さぶ
[動バ上二]
「楽浪(ささなみ)の国つ御神のうら—・びて荒れたる都見れば悲しも」〈万・三三〉
2 古くなる。
「我が門の板井の清水里遠み人し汲まねば水—・びにけり」〈神楽・杓〉
「うす霧の朝けの梢色—・びて虫の音残る森の下草」〈風雅・秋下〉
「まそ鏡見飽かぬ君に後れてや朝夕(あしたゆふへ)に—・びつつ居らむ」〈万・五七二〉
[補説] この語の意から派生した語に「寂(さ)びる」「錆(さ)びる」がある。
すさ・ぶ【▽荒ぶ/▽進ぶ/▽遊ぶ】
読み方:すさぶ
《上代は上二段活用であるが、平安時代ころから四段にも活用するようになった》
[動バ五(四)]
1 気持ちや生活態度にゆとりやうるおいなどがなくなる。とげとげしくなる。荒れる。「心が—・ぶ」
2 細かいところにまで注意が求められる芸などが荒れて雑になる。「芸が—・ぶ」
3 ある方向にいよいよ進む。特に、雨・風などの勢いが増す。「嵐が—・ぶ」「吹き—・ぶ」
「降り—・ぶ時雨の空のうき雲にみえぬ夕日のかげぞうつろふ」〈風雅・冬〉
5 (遊ぶ)気の向くままに何かをする。慰み興じる。もてあそぶ。
「目とどめ給ひて…など、書き添へつつ—・び給ふ」〈源・若菜上〉
[動バ上二]
「絵はなほ筆のついでに—・びさせ給ふあだごととこそ」〈源・絵合〉
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