ニンヒドリン反応とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ニンヒドリン反応の意味・解説 

ニンヒドリン

(ニンヒドリン反応 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/07 15:00 UTC 版)

ニンヒドリン
識別情報
CAS登録番号 485-47-2 
PubChem 10236
ChemSpider 9819 
UNII HCL6S9K23A 
EC番号 213-340-1
ChEMBL CHEMBL1221925 
特性
化学式 C9H6O4
モル質量 178.14 g mol−1
外観 白色の固体
密度 0.862 g/cm3
融点

250℃ (分解)

への溶解度 20 g L−1[1]
危険性
安全データシート(外部リンク) External MSDS
GHSピクトグラム
GHSシグナルワード 警告(WARNING)
Hフレーズ H302, H315, H319, H335
Pフレーズ P261, P264, P270, P271, P280, P301+312, P302+352, P304+340, P305+351+338, P312, P321, P330, P332+313, P337+313
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ニンヒドリン (ninhydrin) は芳香族化合物の一種で、1,2,3-インダントリオンモノヒドラート、2,2-ジヒドロキシインダン-1,3-ジオンとも呼ばれる。化学式は C9H6O4 で、分子量 178.15、CAS登録番号は [485-47-2]。刺激物であり、常温で淡黄色固体。水、アルコールに可溶。アミノ酸の検出反応であるニンヒドリン反応に用いられることで知られる。皮膚などに触れると炎症を起こす。

ニンヒドリン反応

ニンヒドリン反応 (ninhydrin reaction) は、ニンヒドリン水溶液と α-アミノ酸によって起きる呈色反応で、アブデルハルデン反応 (Abderhalden reaction) とも呼ばれる。タンパク質ペプチドなどの検出に利用される。α-アミノ酸と2分子のニンヒドリンが反応し、共役系化合物であるルーエマン紫 (Ruhemann's purple) という青紫色の色素とアルデヒドが生成する。 ただしプロリンに関しては別で、このアミノ酸は一般の α-アミノ酸と異なり、ニンヒドリン1分子としか反応せず、ルーエマン紫とは異なる黄色を呈する共役系化合物を生成して反応が終結する。

この反応は多方面に応用されており、ニンヒドリンのアセトン溶液は指紋検出に使われ、また、この反応を用いてスタンフォード・ムーアウィリアム・スタインはタンパク質のアミノ酸を分析している。

反応機構

反応には2分子のニンヒドリンが関与する。

ニンヒドリン反応機構

ニンヒドリンの2位の炭素の2つのヒドロキシ基は容易に脱水し、カルボニル基となる。そのカルボニル基にα-アミノ酸のアミノ基が求核攻撃し、脱水脱炭酸加水分解を経ることで、ニンヒドリンの2位の炭素の2つのヒドロキシ基が水素とアミノ基に置換された化合物とアルデヒドが生成する。(なお、プロリンなどα-アミノ酸でないアミノ酸の場合は加水分解できず、脱炭酸の段階で反応が終結する。加水分解ができないためアルデヒドは生成しない。生じた化合物は共役系の構造をもつため発色するが、ルーエマン紫(Ruhemann's purple)とは異なる色素である。)

続いて、2分子目のニンヒドリンの2位のカルボニル基に、1分子目のニンヒドリンに結合したアミノ基が求核攻撃し、脱水することで、共役系の構造を持つ色素であるルーエマン紫が生成する。

出典

  1. ^ Chemicals and reagents, 2008–2010, Merck

関連項目


ニンヒドリン反応

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 09:28 UTC 版)

ニンヒドリン」の記事における「ニンヒドリン反応」の解説

ニンヒドリン反応 (ninhydrin reaction) は、ニンヒドリン水溶液と α-アミノ酸によって起き呈色反応で、アブデルハルデン反応 (Abderhalden reaction) とも呼ばれるタンパク質ペプチドなどの検出利用される。α-アミノ酸と2分子ニンヒドリン反応し共役系化合物であるルーエマン紫 (Ruhemann's purple) という青紫色色素アルデヒド生成する。ただしプロリンに関しては別で、このアミノ酸一般の α-アミノ酸異なりニンヒドリン1分子としか反応せず、ルーエマン紫とは異な黄色呈する共役系化合物生成して反応終結する。 この反応多方面に応用されており、ニンヒドリンアセトン溶液指紋検出使われまた、この反応用いてスタンフォード・ムーアウィリアム・スタインタンパク質アミノ酸分析している。

※この「ニンヒドリン反応」の解説は、「ニンヒドリン」の解説の一部です。
「ニンヒドリン反応」を含む「ニンヒドリン」の記事については、「ニンヒドリン」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ニンヒドリン反応」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ニンヒドリン反応」の関連用語

ニンヒドリン反応のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ニンヒドリン反応のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのニンヒドリン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのニンヒドリン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS