鼓膜と鼓室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 03:06 UTC 版)
鼓膜とは外耳と中耳の間にある線維性の薄い膜で、寸法は直径約10mm、厚さ約0.1mmである。外耳道に対し上が覆いかぶさるような斜めになっており、中央は漏斗状のへこみ(鼓膜臍)がある。鼓膜には外面内面ともに神経が分布し、痛覚にきわめて敏感である。鼓膜の内側は粘膜で覆われた鼓室があり、耳管で咽頭と繋がっている。鼓膜には耳小骨という米粒ほどの大きさである3つの骨が繋がっており、鼓膜側から槌骨・砧骨・鐙骨と言う。この3つの骨は関節で繋がり、耳小骨筋(鼓膜張筋・鐙骨筋)という筋肉がついている。音波を捉え鼓膜が振動すると、耳小骨は連動し、内耳へ伝える。耳小骨筋は、大きすぎる音によって耳小骨が過剰に動かないよう収縮の力を加えている。なお、耳小骨を3つ持っている生物は、哺乳類以外に知られていない。 耳管(エウスタキオ管)は通常は圧迫されて閉じている。しかし何かを飲み込むなどの動きに連動して一時的に開く。この動きによって外気圧と中耳の気圧差を解消する。これが何らかの原因で閉塞すると、鼓膜が陥没して振動しにくくなり、難聴を引き起こす。逆に開放されたままの状態だと、自らの声が異常に大きく聞こえる自声強聴という状態になる。
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