電子通信法の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/06 15:13 UTC 版)
おそらく、公益事業法制の分野で最も動きが激しいのは、電信と放送をまとめた領域(これらを総称して電子通信という。)であろう。 電子通信網の設立や運営(例えば、携帯電話網を新設する場合)や電子通信役務の提供(例えば、既存の携帯電話網を利用して、加入者相互間で通信ができるような新たな役務を提供する場合)に適用される規則は、郵便及び電子通信法典 (Code des postes et communications électroniques) に定められている。この分野で規制権限を行使するのは、電子通信及び郵便監督庁( Autorité de régulation des communications électroniques et des postes 、略して ARCEP )という名称の独立行政機関である。 電子通信網を通じて配信される番組(例えば、前述の携帯電話網を通じて視聴者の要求どおりの動画を提供する場合)に適用される規則は、1996年の単行法に定められており、これを放送法と呼ぶこともできる。この分野で規制権限を行使するのは、視聴覚最高評議会( Conseil supérieur de l'audiovisuel 、略して CSA )という名称の独立行政機関である。 電子通信及び郵便監督庁も視聴覚最高評議会も、基本的には市場参加者間の均衡を重視した決定をしている。こうした決定は、本来的に規制的な(すなわち、その事業部門全体に関わる)もののこともあれば、準司法的な(すなわち、複数の市場参加者間の紛争を解決する)もののこともある。 市場参加者が規制的な決定に異議を申し立てようと思うときは、コンセイユ・デタ( Conseil d'Etat 、フランスの最高行政裁判所)に直接出訴することができる。これに対して、市場参加者が準司法的な決定に異議を申し立てようと思うときは、控訴裁判所(民事裁判所であって、行政裁判所ではない。)に出訴しなければならない(郵便及び電子通信法典法律の部36条の8第4項参照)。
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