雪男の造形・エピソード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 06:47 UTC 版)
雪男の造形に当たっては、各種猿人の資料で裏付けをとってリアルさを追求し、特技監督の円谷は「単なる怖がらせのためのものではないと自信を持って言えるものだ」と自負している。また、後年には宝田もその旨について、円谷の「こだわりだった」と述懐している。 雪男のぬいぐるみの造形は、当初大橋史典が中心となって行われ、巨大さを表現しようと足元を高下駄式にしていたが、危険であるために取り止めとなった。顔面は数回作り直されたが、約半年を費やした果てに造形チーフの利光貞三によって制作された顔面が採用され、胴体も八木勘寿や八木康栄によって子供の雪男ともども作り直された。また、下半身のみの着ぐるみも作られた。 大橋の雪男は牙をむき出した凶暴そうな顔つきが特徴で、利光の雪男は口元の下がった穏やかな顔つきをしている。全身の体毛には、ヤギの毛が植え付けられている。顔面はスーツアクターを担当した相良三四郎のライフマスクが石膏で型取りされ、演技者の表情に連動して動くように工夫された。相良は俳優兼造形技術者だった大橋史典の芸名でもあるが、当時の『東宝ニュース』では、スーツアクターは「全国から巨人コンクールで選んだ日本一の巨人」と宣伝される。なお、後年に開設された本多の公式サイトでは、スタジオで撮影された写真に「コンクールで選ばれた相良三四郎が扮する雪男」と表記されている。 ただ、長身の大橋が自ら制作した雪男を試着している現場写真は現存しており、『東宝ニュース』[要文献特定詳細情報]では「相良は美校の出身で、渡辺明の助手も務めた」とあり、大橋の経歴と一致している。また、「相良がロケ先の宿でマスクを着けて仕事をしているのを見た女中が悲鳴を上げて腰を抜かし、ちょうど泊まり合わせた剣道三段の猛者に散々な目に遭わされた」との逸話が渡辺明によって語られている。 公開当時、「ゴジラより強い雪男」というフレーズで、雪男が『ゴジラの逆襲』に使用されたゴジラのぬいぐるみと対峙している宣伝用スチール写真も撮影されている。
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