障害回復機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/04 09:23 UTC 版)
「Multi-Protocol Label Switching」の記事における「障害回復機能」の解説
FRR (Fast ReRoute) を使うことで、MPLSネットワーク上で50msec以下での障害回復が実現される。RFC4427 "Recovery (Protection and Restoration) Terminology form GMPLS" によると、障害回復 (Recovery) には、Protection、つまり事前に予備のネットワーク資源を確保しておく方式と、Restoration、つまり事前の資源確保を行わない方式が含まれる。FRRによる障害回復はProtectionに当たる。 FRRでは、保護対象となるPrimary LSPの経路上の障害が発生する可能性のある個所(ノード、リンク)を迂回するような、Protection用のLSP (Detour LSP) を張っておく。この際、Primary LSPからDetour LSPへ分岐するノードをPLR (Point of Local Repair)、Detour LSPがPrimary LSPへ再度合流するノードをMP (Merge Point) と呼ぶ。MPでは、Primary LSP用のラベル、Detour LSP用のラベルの双方を受け取ることができるようにしておく。このような準備をしておくことで、PLR-MP間で障害が発生した場合、PLRでの送信インターフェイス、送信ラベルを、それぞれPrimary LSP用のものから、Detour LSP用のものに切り替えるだけで、障害回復が達成される。 なにをもって、障害のトリガとするかは、実装にゆだねられるが、POSの場合はSDH/SONETのアラーム、イーサネットの場合にはリンクダウンアラーム、その他一般的にはRSVP Helloによる検出などがある。 10GbE WAN-PHYの場合は、イーサネットではあるが、SDH/SONETの10Gbps信号 (STM-64/OC-192) にマッピングされるため、SDH/SONETの機能による障害検知が可能である。 光のGbE (1000Base-SX/LX) でも、8B10B符号化の副産物である、帯域外の信号を用いて、高速なリンクダウンの検出を可能としている。 なお、このFRRと同等の機能を、MPLSではないIP網に実装しようとする動き (IP-FRR) もある。RFC 5714などを参照のこと。
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