障害問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 21:52 UTC 版)
自由境界問題の他の有名な例として、古典的なポアソン方程式と密接な関連がある、障害問題(英語版)が挙げられる。微分方程式 − ∇ 2 u = f , u | ∂ Ω = g {\displaystyle -\nabla ^{2}u=f,\qquad u|_{\partial \Omega }=g} の解は、変分原理を満たす。すなわちその解は、汎関数 E [ u ] = 1 2 ∫ Ω | ∇ u | 2 d x − ∫ Ω f u d x {\displaystyle E[u]={\frac {1}{2}}\int _{\Omega }|\nabla u|^{2}\,\mathrm {d} x-\int _{\Omega }fu\,\mathrm {d} x} を、境界上で g の値を取るようなすべての関数 u について、最小化するものである。障害問題においては、次のような付加的な制限が課される:ある与えられた関数 φ に対して、 u ≤ φ {\displaystyle u\leq \varphi \,} が Ω 内で成立しているものとする。 u = φ が成立するような領域として、一致集合(coincidence set)C を定義する。さらに、u が φ と等しくならないような領域として不一致集合(non-coincidence set)N = Ω\C を定義し、それら二つの集合の間の界面として自由境界 Γ を定義する。このとき、u は自由境界問題 − ∇ 2 u = f in N , u = g {\displaystyle -\nabla ^{2}u=f{\text{ in }}N,\quad u=g} を、Ω の境界上で満たし、 u ≤ φ in | Ω , ∇ u = ∇ φ on Γ . {\displaystyle u\leq \varphi {\text{ in }}|\Omega ,\quad \nabla u=\nabla \varphi {\text{ on }}\Gamma .\,} を満たす。ここで、v ≤ φ を満たすようなすべての関数 v の集合は凸であることに注意されたい。ポアソン問題が、関数の線型部分空間についての二次汎関数の最小化に対応するように、自由境界問題は凸集合についての最小化に対応する。
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