防御様式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 05:18 UTC 版)
「ヴァンガード (戦艦)」の記事における「防御様式」の解説
本艦の舷側装甲は水線部装甲が最大で356mmと同世代の列強戦艦に比べて装甲厚に優れ、水線部装甲は高さ7.3mの装甲板が全長の57%に匹敵する140.2mを覆う重防御であった。その反面、舷側における装甲板の装着方法はフッドやネルソン級で採用されていた「傾斜装甲」ではなく、時代に逆行して第一次大戦時まで用いられていた「垂直装甲」に回帰したキング・ジョージ5世級の様式をそのまま踏襲している。イギリス海軍では、建造時における装甲板取り付け工事の複雑化を嫌ったと説明されているが、代償として避弾経始効果が得られないためにドイツ戦艦と同じく「装甲にかかる重量の割合に対し対弾防御効果が少ない」という欠点を抱えるに至った。前後の隔壁の装甲厚は299mmから249mm装甲が貼られた。舷側防御は水線面から主甲板までの広範囲に貼り、これを主甲板の末端部と接続することにより、船体の大部分を敵弾の侵入を防げるという強固な防御型式を持っていた。水平防御は弾薬庫上面部が152mm、機関部の上面部が127mmであった。 また、その防御構造もアメリカ・フランスのように主装甲板の背後に断片防御用の装甲甲板を持たないため、敵弾が主装甲を貫通した場合や、貫通しないもののショックで主装甲板の裏面が砕けて飛散した場合に、居住区や機関区を守るものがないために二次被害が生じる可能性が高く、防御として考えた場合に不十分なものであった。
※この「防御様式」の解説は、「ヴァンガード (戦艦)」の解説の一部です。
「防御様式」を含む「ヴァンガード (戦艦)」の記事については、「ヴァンガード (戦艦)」の概要を参照ください。
- 防御様式のページへのリンク