鎖付図書の保存や保全に対する近年の関心
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/09 04:30 UTC 版)
「鎖付図書」の記事における「鎖付図書の保存や保全に対する近年の関心」の解説
近年、鎖付図書を再現しようとする動きが高まっている。本棚などの家具、鎖、書籍が当時のままに残っている鎖付図書は世界中で5箇所のみで、そのうちの一箇所がオランダの小さな町であるズトフェンにある聖ヴァルブルガ教会内の図書館で1564年に建設されていて、現在博物館の一部として観光客向けに当時のままの書籍、家具、鎖を公開している。 これらの大規模な図書館を修復し保全するには数多くの作業を伴う。例として、イングランドのヘレフォードにあるマッパ・ムンディと鎖付図書博物館の復元には数多くの作業員と10年以上の期間、多額の寄付が必要だった。900年以上前に建設されたこの図書館は荒廃が進み、倒壊の危機に直面していた。また、発見された最古の鎖付図書はヘレフォード・ゴスペルで、8世紀に書かれたこの書籍はこの大規模な図書館に置かれていた229冊の鎖付図書の1冊だった。ヘレフォード図書館は現存する鎖付図書館の中で最大規模で鎖や書籍もそのまま残っていて、観光地や博物館として現在一般公開されている。 ウィンボーン・ミンスター(英語版)内の鎖付図書館はイギリスにおいて2番めに規模の大きい鎖付図書館である。最初の寄贈はウィリアム・ストーン牧師による神学を扱った図書で主に聖職者が読んでおり鎖は付けられていなかった。別の地元寄贈者であるロジャー・ジリンガムは1695年に90冊を寄贈した時に、図書館は「店主やより身分の高い」地元町民のために無料で利用できるようにしなければならないと考え、書籍に鎖をつけることを求めた。
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