鋼の酸洗浄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 04:33 UTC 版)
塩酸の最も重要な用途の1つとして、鋼の酸洗浄(英語版)で、押出成形、圧延、亜鉛めっき、およびその他の技術などの後続の処理の前に、鉄または鋼から錆または酸化鉄の被膜を除去するということが挙げられる。通常18%の濃度の技術品質のHClは、炭素鋼等級の酸洗浄に最も一般的に使用される酸洗浄剤である。 Fe 3 O 4 + Fe + 8 HCl ⟶ 4 FeCl 2 + 4 H 2 O {\displaystyle {\ce {Fe3O4 + Fe + 8 HCl -> 4 FeCl2 + 4 H2O}}} 使用済みの酸(英語版)は、塩化鉄(II) (塩化第一鉄としても知られている) 溶液として長い間再利用されてきたが、酸洗浄液中の重金属水準が高いため、あまり行われなくなってきている。鉄鋼酸洗い業界は、スプレーロースターや流動床塩化水素再生プロセス(英語版)などの塩酸再生プロセスを開発した。これにより、使用済み酸洗浄液からHClを回収できる。 最も一般的な再生プロセスは、次の反応式による熱加水分解プロセスである。 4 FeCl 2 + 4 H 2 O + O 2 ⟶ 8 HCl + 2 Fe 2 O 3 {\displaystyle {\ce {4 FeCl2 + 4 H2O + O2 -> 8 HCl + 2 Fe2O3}}} 使用済みの酸を回収することにより、閉じた酸ループが確立される。再生プロセスで生じる酸化鉄(III)副産物は貴重であり、さまざまな第二次産業で使用されている。
※この「鋼の酸洗浄」の解説は、「塩酸」の解説の一部です。
「鋼の酸洗浄」を含む「塩酸」の記事については、「塩酸」の概要を参照ください。
- 鋼の酸洗浄のページへのリンク