鉄の処女伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 04:50 UTC 版)
鉄の処女には、ハンガリーの伯爵夫人バートリ・エルジェーベトが作らせたものとする伝説がある。メイドの少女がエルジェーベトの髪を櫛でとかしていた所、櫛に絡まりついた髪を誤って引っ張ってしまった。激怒したエルジェーベトは、髪留めでメイドの胸を何度も突き刺し心臓をえぐった(鉄の棒で殴り殺したという説もある)。返り血がかかった手を拭うと肌が金色に輝いたように見えたため、エルジェーベトは「処女の血を浴びると肌が綺麗になる」と思い込み、配下の者に命じて村中の処女を集めさせた。その血液を絞り取るために特別に作らせた器具が鉄の処女であるとされる。 その後エルジェーベトの鉄の処女は改良され、搾り取られた処女の血液は管を通してバスタブへと注ぎ込まれる細工が組み込まれた。犠牲者が死んだ後に棺の扉を開けると棺の床が抜けて死体は水で城の外に流されるようになっており、そのための水路には刃物が設置されていたので、死体が城外に出る頃には原形をとどめていなかったという。しかしこれはあくまで風説のレベルに過ぎず、実在を示した証拠は何もない。 鉄の処女に類似した拷問あるいは処刑用の刑具として、両腕で罪人を抱きかかえて、像の胸部から飛び出した釘が身体を刺すという「アペガの像」や、像の前に落とし穴があって、近づいた罪人を穴に落すという「バーデン・バーデンの処女」などが、文献上は存在しているが、現物は一切存在しない。
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