鉄の反応傾向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/19 20:09 UTC 版)
領域I(青の部分)は、不感域(安定域)と言い、鉄が安定な領域である。 領域II(赤の部分)は、腐食域と言い、鉄が腐食する。ここでは、Fe2+、Fe3+、HFeO2−が安定であり、鉄が溶解する。 領域III(黄色の部分)は、不動態域と言い、鉄が不動態化する。つまり、鉄は初期に反応するが、反応生成物である不動態皮膜のためにこれ以上腐食が進まない。 『FeO42−?』の部分は、その領域ではFeO42−が生成するらしいと言われているが、詳しくはわかっていない。正確な電位もわかっていない。 以上のように、25℃の水中での鉄の腐食傾向は、電位とpHの両方の値がわかれば、『電位-pH図』を読むことによって判断できる。 なお、Cl−が存在すると、不動態域で孔食が起こり、鉄に孔があく。電位-pH図は、実際の環境で起る現象の全てを予測する事は出来ないが、金属の腐食反応を理解するための基本になる。
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