金属錯体の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/16 00:52 UTC 版)
アセチルアセトン銅(II) Cu(acac)2 は Cu(NH3)42+ の水溶液をアセチルアセトンで処理することで得られるが、市販もされている。カップリング反応やカルベン転位反応を触媒する。 アセチルアセトン銅(I) 2価の錯体とは異なり、空気に弱いオリゴマーである。マイケル付加の触媒となる。 アセチルアセトンマンガン(III) Mn(acac)3 は1電子酸化剤であり、フェノール類の酸化的カップリング反応によく用いられる。アセチルアセトンと過マンガン酸カリウムとを直接反応させることにより得られる。その電子構造を見ると、Mn(acac)3 は高スピン化合物である。8面体構造がゆがんだ構造をとるが、これはヤーン・テラー効果による幾何学的なひずみを反映している。 アセチルアセトンニッケル(II) ニッケルの場合は Ni(acac)2 ではなく[Ni(acac)2]3、すなわち 3量体として存在している。ベンゼンに可溶なエメラルドグリーンの固体であり、0価のニッケル錯体を合成する際に前駆体として広く用いられる。空気中に晒すと、3量体が粉っぽい緑色の単量体1水和物に変化する。
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