フェノール類の酸化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/25 23:39 UTC 版)
「エルブス過硫酸酸化」の記事における「フェノール類の酸化」の解説
エルブス過硫酸酸化には、過硫酸カリウムと強塩基とを用いる。 フェノール類のヒドロキシ化の反応機構は、フェノキシドの共鳴構造である para-カルバニオンへ、過硫酸アニオンの O−O 部位が攻撃するものとして理解されている。カルバニオンが求核剤、硫酸イオンが脱離基として、O−O 部位の酸素上で求核置換反応が起こるものとも見なせる。いったん生じる中間体の硫酸エステルが加水分解を受けて2価のフェノールとなる。 エルブス過硫酸酸化の収率は一般にそれほど高くなく、基質の回収も多い。反応が完結する前に過硫酸塩が消費されてしまうためである。副反応として、フェノール類が過硫酸塩の分解を触媒してしまうことが示唆されている。 アニリン誘導体をヒドロキシ化する反応も知られ、ボイランド・シムズ酸化 (Boyland-Sims oxidation) と呼ばれる。その反応ではアニリンのオルト位が優先的に酸化される。
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