量子力学
素粒子のふるまいを観察する学問
量子力学は、古典的なニュートン力学では説明できない素粒子(そりゅうし)のふるまいをあつかう学問領域であり、相対性理論と並んで、宇宙探究の重要な学問分野となっています。すべてのモノは、原子で形成されていますが、原子を構成したり、結合したりする超ミクロの粒子が素粒子です。この素粒子のふるまいを観察すると、いろいろ奇妙なことが見られます。たとえば、ある素粒子の量を測定すると、1、あるいは2、あるいは3、ときちんと整数倍でとらえられるのです。これは古典的物理学では考えられないことでした。空から降る雨の粒(つぶ)が、1グラム、2gか、あるいは3gだったということはありません。1.5gだったり、2.14gだったりするのがあたりまえです。かりに、この雨粒のような粒子を1/100億とか1/1000億にしたとき、その量が整数倍であったならば、そのなかでもっとも小さい値を「量子」と呼んでいます。
「不確定の領域」を確定するむずかしさ
また量子力学では、ある素粒子の量が1、あるいは2、あるいは3であるかは、確率的にしか決められないとします。さらにいえば、そこに存在するかどうかも観察するまではわからないのです。原子のまわりには電子が運動していますが、電子を観測した場合、その位置を見つけると、その運動量がわかりません。逆に運動量を測定すると、今度は位置がわからなくなります。電子は、位置と運動量をあわせて測定することができないのです。このような不確実な領域の測定が、ドイツのハイゼンベルクらの研究によって公式化され、量子力学は発展します。
ビッグバン理論の登場で、大きくクローズアップ
宇宙創成のビッグバン理論の登場が、量子力学が宇宙研究の重要な分野となるための大きなステップでした。宇宙の形成を過去へさかのぼると、最後には素粒子レベルの物質の形成やふるまいのナゾに行き当たります。電子や光子、クォークのエネルギーはどのように生まれたのか、無限大の温度、無限大の密度では何が起こるのか。量子力学を研究することは、宇宙の果てはどこかを観測することと同じように大切なのです。
量子力学と同じ種類の言葉
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