酒で煮る超伝導物質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/15 00:13 UTC 版)
「鉄系超伝導物質」の記事における「酒で煮る超伝導物質」の解説
テルル化鉄に硫黄をドープしたFeTe1-xSxは、通常は超伝導性を示さないが、空気中に長期間晒すなどすると超伝導性を示す。この化合物を超伝導物質にするには、酒類で煮るのが最も有効である。実験ではテルル化鉄を赤ワイン、白ワイン、ビール、日本酒、焼酎、ウイスキーに浸し、それぞれ70℃に加熱すると、翌日には超伝導物質(Tc~8K)になっている事がわかった。特に赤ワインが有効である。なぜこうなるのかは2010年の実験段階ではわかっていなかったが、2012年になり、超伝導誘発作用を持っているのは酒に含まれるクエン酸、リンゴ酸、β-アラニンなどの有機酸(いずれもキレート作用を持ち、金属イオンを挟み込むような形で結合することができる)であり、これらが余分な鉄を鉄イオンとして酒の中に溶かし出すことによって超伝導物質になることがわかった。
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