郷・神戸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/17 03:29 UTC 版)
全ての座標を示した地図 - OSM全座標を出力 - KML 表示 『和名類聚抄』高山寺本・東急本に記される郡内の郷。名草郡には多数の式内社が分布したことにより、郡内には多くの神戸が存在した。郷とそれら神戸との混同により、『和名類聚抄』でも諸写本で郷名に多くの錯乱が生じている。 大屋郷 (おおやごう、位置)郷名は大屋都比売神社に由来。比定地は和歌山市宇田森・弘西・西田井。 直川郷 (のうがわごう、位置)比定地は和歌山市直川・府中・田屋・小豆島・松島。紀伊国衙推定地。 苑部郷 (そのべごう、位置)比定地は和歌山市六十谷・園部・善明寺・大谷・楠見中・中・船所・粟・ひらい・市小路・栄谷。 大田郷 (おおたごう、位置)比定地は和歌山市太田。 大宅郷 (おおやけごう、位置)郷名は欽明天皇17年設置の海部屯倉に由来。比定地は和歌山市手平・北出島・新中島・杭ノ瀬。名草郡衙推定地。 忌部郷 (いんべごう、位置)比定地は和歌山市井辺(いんべ)。紀伊忌部の本貫地。 断金郷 (だんごんごう、位置)比定地は和歌山市永穂(なんご)。安閑天皇2年設置の河辺屯倉推定地。 駅家郷 (うまやごう、位置)高山寺本なし。比定地は和歌山市山口。近世まで宿駅が存在した。 野応郷 (のおごう、位置)比定地は和歌山市山口・藤田・上野・北野。 有真郷 (ありまごう、位置)比定地は和歌山市鳴神。 荒賀郷 (あらかごう、位置)東急本では「八荒賀」。比定地は和歌山市黒田。 大野郷 (おおのごう、位置)比定地は海南市大野中・幡川・重根。 旦来郷 (あつそごう、位置)高山寺本では「朝来」。比定地は和歌山市本渡・小瀬田、海南市多田・山崎町。 神戸郷 (かんべごう、忌部神戸か)高山寺本・東急本とも「誰戸」と記すが誤記。忌部神戸と推定。『新抄格勅符抄』大同元年牒では忌部神の神戸として紀伊国に10戸を記載。和歌山市鳴神周辺に分布か。 津麻神戸 (つまかんべ)東急本では「津麻」「神戸」と別々に記す。高山寺本は「津摩」のみ。都麻都比売神社の神戸。『新抄格勅符抄』大同元年牒では同神の神戸として13戸を記載。和歌山市禰宜周辺に分布か。 国懸神戸 (くにかかすかんべ)高山寺本では「国県」。國懸神宮の神戸。『新抄格勅符抄』大同元年牒では同神の神戸として65戸を記載。和歌山市秋月周辺に分布か。 島神戸 (しまかんべ)高山寺本なし。志磨神社の神戸。『新抄格勅符抄』大同元年牒では同神の神戸として7戸を記載。和歌山市中之島周辺に分布か。 大屋神戸 (おおやかんべ)東急本・高山寺本とも「大屋」と2度記すが、2度目は「大屋神戸」の意か。大屋都比売神社の神戸。『新抄格勅符抄』大同元年牒では同神の神戸として7戸を記載。和歌山市宇田森周辺に分布か。 日前神戸 (ひのくまかんべ)高山寺本なし。日前神宮の神戸。『新抄格勅符抄』大同元年牒では同神の神戸として61戸を記載。和歌山市秋月周辺に分布か。 伊太祁曽神戸 (いだきそかんべ)高山寺本なし。東急本では「伊太」「祁曽」「神戸」と別々に記す。伊太祁󠄀曽神社の神戸。『新抄格勅符抄』大同元年牒では同神の神戸として66戸(最大)を記載。和歌山市伊太祁曽周辺に分布か。 須佐神戸 (すさかんべ)高山寺本なし。須佐神社の神戸。『新抄格勅符抄』大同元年牒では同神の神戸として10戸を記載。和歌山市口須佐・奥須佐周辺に分布か。 以上のほか、『和名類聚抄』に見えない地名では「宇治郷」「宇治保」「片岡里」「埴生里」などがある。
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