郵便切手類模造等取締法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 17:52 UTC 版)
切手は郵便料金を前納した証紙であるため、その複製には一定の制約がある。郵便切手類模造等取締法(郵模法)の第1条第1項では、日本を含め世界の郵便切手と見間違えるような外観を有するものを製造したり頒布したりすることが禁止されている。 郵模法の第1条第2項では、総務大臣の許可を受けたものについては郵便切手の模造をしてもよいとされている。許可に関しては郵便切手類模造等の許可に関する省令にも定めがある。これは、海外で発行された切手や発行後50年が経過してパブリックドメインになっている切手にも適用される。実際、切手収集家向けに発刊されている出版物のように、原色かつ実寸で切手の写真を印刷しているものには、『令和XX年X月X日郵模第XXXX号』といった許諾番号が記載されている。現在では政府機関にオンラインで申請することができる。 しかし、出版するたびに許可が必要であるとすれば、新聞や雑誌など速報性が求められる出版物では郵便切手を紹介することができなくなってしまう。この問題を解消するため、「郵便切手類模造等取締法第1条第2項の許可を受けたものとみなされるもの」(昭和47年10月30日郵政省告示第881号)で挙げられた条件を満たすものについては総務大臣の許可を受けたとみなすこととされている。ここで挙げられている条件の例としては、白黒印刷する場合、切手に「模造」などの文字を入れた場合、印面に黒い線をいれている場合、紙以外の材質で作る場合などがある。雑誌や書籍に切手の画像を掲載する場合に黒い斜め線が入れられていたり、文字が入れられている場合が多いのは、この規定にしたがって総務大臣の許可を不要とするための措置である。 以上のように、日本において切手を紙に印刷する場合には、総務大臣の許可を得るか、総務大臣の許可を受けたと見なされるための適切な方法で行わなければならない。紙以外に印刷する場合には、材質が紙と紛らわしくなければ先述の告示の条件に合致するため、個別に許可を得る必要はない。
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