郵便区分機での実際
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 02:27 UTC 版)
上述のように、各郵便物には、「記載された郵便番号」「記載された住所」を元に設定された「あて名情報」が、不可視インクによるバーコードとして印字される。または、差出人があらかじめカスタマーバーコードを印字している場合もある。一方、「配達総合情報システム」では、「あてな情報」1件ごとに、「配達順番」が付番されている。ここでは仮に数字4桁とするが、これは、「あて名情報」の順番で機械的に付番したものではなく、「住宅地図」はもとより、「道路形状」「交通状況」「建物の有無」など、配達順に影響を与える事象を踏まえたものであり、また、「建物の新築や取り壊し」「道路の新造」など、事象に変化があれば、それに応じて変更されるものである。 ★「あて名情報」と「配達順番」との関連付けの例 あて名情報配達順番ウィキ市ペディア町一丁目1-1 0101 1-2 0103 1-3 0102 2-1 0110 2-2 0209 ~ ~ ウィキ市ペディア町二丁目1-1 0301 1-4 0109 1-6 0208 ~ ~ ウィキ市ペディア中町一丁目1-1 0901 1-2 0909 1-3 0877 ~ ~ ウィキ市ペディア南町一丁目1-1 7201 1-2 7301 1-3 8877 ~ ~ これらを踏まえて、最初に行う「1パス」と呼ばれる作業は次のとおりになる。即ち、配達局に到着した郵便物を区分機に投入すると、区分機は1通ごとに「不可視バーコード」または「カスタマーバーコード」を読み取る。その「あて名情報」を元に「配達総合情報システム」に記録されている「配達順番」を呼び出し、その下2桁に従ってグルーピング(01~99)を行う(具体的には、それぞれ決められた「区分箱」に入れられていく)。また、「バーコードが読み取れなかったもの」や「他局宛のものが混入していた場合」については、別の「区分箱」に回された後、手作業にて必要な処理が行われる。続く「2パス」作業では、「1パス」で区分したグループごとに、01から順に区分機に投入し、今度は「配達順番」の上2桁に従ってグルーピング(01~99)を行う。その結果、「2パス」後は1つのグループ(上2桁)の「区分箱」ごとに、下から「01→99」の順番で並べ替えられた状態になる。なお、「1パス」と「2パス」とは、時間的に連続して行う必要はない。よって、多くの配達局では、郵便が配達するたびごとに「1パス」を行う。そして、そのグルーピングを崩さずに保管し、その日の配達分の「2パス」を、複数回の「1パス」の分をとりまとめて行う、という手法を取っている。また、「1パス」と「2パス」とは、区分機が1台しかない局なら、動作モードを切り替えて行うことにある。また、区分機が2台あれば、それぞれを専用機とすることも可能である。(後者であっても、どちらか1台が故障した場合、残り1台でモードを切り替えることで作業継続が可能である)
※この「郵便区分機での実際」の解説は、「郵便区分機」の解説の一部です。
「郵便区分機での実際」を含む「郵便区分機」の記事については、「郵便区分機」の概要を参照ください。
- 郵便区分機での実際のページへのリンク