遺稿の完成度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 02:46 UTC 版)
「交響曲第10番 (マーラー)」の記事における「遺稿の完成度」の解説
マーラーは4段ないし5段譜表による略式総譜を全5楽章の最後まで書いており、そのうち第1楽章と第2楽章(スケルツォ)については一応のオーケストレーションを施した総譜の草稿を作り終えていた。 このうち第1楽章は、管弦楽に薄いところがありながらも楽章を通して演奏可能である。第2楽章は構成と拍子が複雑で、遺稿に一部欠落もあったために、そのままでは演奏不能であった。第3楽章は、最初の30小節について第1楽章、第2楽章に準じてオーケストレーションがなされていた。短く単純な形式であるため、補筆は第2楽章よりも容易であった。第4楽章以降については、略式総譜の各所に楽器指定が書き込んであるものの、声部には濃淡があり、どうにか最後までつづいているという状態であった。 楽曲構成や楽章順については、過去の自作で迷った経緯もあり、これがマーラーの最終判断とはいえないものの、略式総譜の順及び作品の完成度によって、構想段階のものとしてはほぼ確定可能である。
※この「遺稿の完成度」の解説は、「交響曲第10番 (マーラー)」の解説の一部です。
「遺稿の完成度」を含む「交響曲第10番 (マーラー)」の記事については、「交響曲第10番 (マーラー)」の概要を参照ください。
- 遺稿の完成度のページへのリンク