遺伝疾患との関わり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 00:33 UTC 版)
ヒト小頭症の原因タンパク質のひとつMCPH1はコンデンシン II の抑制因子として働くことが報告されている。このタンパク質に欠損をもつ患者から採取した細胞では、コンデンシン II の過剰な活性化が引き起こされ、非分裂期においても凝縮した染色体が観察される。さらに最近になって、コンデンシン I 及び II のサブユニットのhypomorphic変異(遺伝子機能の一部を低下させるマイルドな変異)そのものが小頭症の原因になっていることも報告されている。しかし、コンデンシンの精密な制御と小頭症発症の間にどのような関係があるかについては不明な点が多い。一方、マウスでは、コンデンシン II サブユニットのhypomorphic変異がT細胞の分化に特異的な影響を及ぼすことに加え、T細胞リンパ腫を引き起こすことが報告されている。このように、神経幹細胞やT細胞など特殊な分裂様式をもつ細胞種においてコンデンシン変異の影響が検出されやすいという観察は大変興味深い。
※この「遺伝疾患との関わり」の解説は、「コンデンシン」の解説の一部です。
「遺伝疾患との関わり」を含む「コンデンシン」の記事については、「コンデンシン」の概要を参照ください。
- 遺伝疾患との関わりのページへのリンク