遺伝子構造と亜型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 03:04 UTC 版)
H5N1はオルトミクソウイルス科A型インフルエンザウイルス属の亜型の一つであり、RNAウイルスである。ゲノムは8つの領域(PB2、PB1、PA、HA、NP、NA、M、NS)があり、マイナス一本鎖型RNAで構成されている。 HAは抗原性糖タンパク質であるヘマグルチニンをコードしている。ヘマグルチニンはウイルスの表面に存在し、感染する対象の細胞にウイルス結合させる働きがある。NAはグリコシダーゼの一種であるノイラミニダーゼをコードしている。ノイラミニダーゼは感染細胞からのウイルスの放出に関係している。 詳細は「インフルエンザウイルス」を参照 ヘマグルチニン(HA)やノイラミニダーゼ(NA)は抗ウイルス薬や抗体のターゲットとなるため、医学的に重要な要素である。H5N1はH(ヘマグルチニン)とN(ノイラミニダーゼ)の種類を表している。 A型インフルエンザは度々多数の死者を出す大流行を繰り返してきた。これまでパンデミックおよび小規模な流行を引き起こした、もしくは死者を出した主な亜型を死者の多い順に並べると以下のようになる。 パンデミック H1N1 - スペインかぜを引き起こした。「Aソ連型」としても知られ、現在は季節性インフルエンザを起こす。 H2N2 - アジアかぜを引き起こした。 H3N2 - 香港かぜを引き起こした。「A香港型」としても知られ、現在は季節性インフルエンザを起こす。 小規模な流行 H7N9 - 2021年11月時点で累計1568人が感染し616人が死亡している。現在、パンデミックが懸念されている(「H7N9鳥インフルエンザの流行」も参照)。 H5N1 - 本項目で扱っている。2021年11月時点で累計863人が感染し456人が死亡している。現在、パンデミックが懸念されている。 H7N7 - 1人が死亡した。 H1N2 - 現在ヒトとブタでエピデミックを起こしており、季節性インフルエンザを起こす。 H9N2 - 3人に感染した。 H7N2 - 2人に感染した。 H7N3 - 2人に感染した。 H10N7 - 2人に感染した。
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