道徳主義の誤謬 (Moralistic fallacy)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 23:34 UTC 版)
「詭弁」の記事における「道徳主義の誤謬 (Moralistic fallacy)」の解説
A「人間は皆生まれながらに平等であるべきだ。だから能力が遺伝するという研究結果は間違っている。」 規範文の前提から記述文の結論を導く場合に生じる誤謬。道徳律は定言的命法により記述されるため、その定言命題が真の場合は得られる結論に倫理的強制力をもつ構造がある。Aの主張が「遺伝に関する研究を行うべきではない」である場合、これは倫理上の課題として妥当な推論である可能性がある。しかし「研究結果」そのものを否定している場合、その結果が事実であったとすれば、規範により観察事実を曲げてしまっている。この主張は「人を殺してはいけない。だから殺人事件はおこらない(人は殺されない)」と論理構造が等しい。倫理的な指針を主張することで「危険な知識」の収集を規制しようと意図する場合見られる。アメリカの微生物学者バーナード・デイビスが自然主義の誤謬をもじり命名した。Is-ought problem。
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