ロコモ
英語:locomotive syndrome
主に加齢によって生じる運動器の疾患または機能不全。および、運動器の障害のために介護が必要な状態や、介護が必要となるリスクが高まっている状態などを表す語。
「ロコモ」の語は日本整形外科学会が提唱した。ロコモの語の元となる「ロコモティブ」(locomotive)は「運動の」という意味の英語である。
身体を使って動作をするには、筋肉や骨、関節、腱、靭帯などの器官を使用する。年をとると、これらの運動器も障害や機能不全が生じやすくなる。運動器が思うように動かなくなると、日常動作が困難になったり、転倒して怪我を負ったり、寝たきり状態になったりするリスクが高まる。
日本整形外科学会はロコモを長寿社会における国民病と捉え、早期の予防と早期発見を奨励している。
関連サイト:
新概念「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」 - 公益社団法人日本整形外科学会
うんどうき‐しょうこうぐん〔‐シヤウコウグン〕【運動器症候群】
読み方:うんどうきしょうこうぐん
ロコモティブ症候群
ロコモティブ症候群(ロコモティブしょうこうぐん、locomotive syndrome)とは、運動器[1]の障害や、衰え(関節可動域の制限やサルコペニア等の筋力低下など加齢や生活習慣が原因といわれる[2])によって、歩行困難など要介護になるリスクが高まる状態のこと[3]。一言で言えば、運動器機能不全のことである。日本整形外科学会が2007年(平成19年)に提唱した呼称(和製英語とされる[4])で、予防啓発を行っている[5]。本の執筆者、健康関連雑誌の編集方針、医療関係者などの判断によってロコモ、ロコモティブシンドローム、ロコモーティブシンドローム、ロコモーティブ症候群、運動器症候群などと書かれたり呼ばれたりしている。
主な原因
若年者のロコモティブ症候群
埼玉県医師会(文部科学省からの委託)による検診調査では、幼稚園児から中学生にも、すでに運動器にロコモティブ症候群の兆候が見られる例があったという。この少年少女のロコモティブ症候群の原因の傾向について、「運動量・運動経験が少ない子」もしくは「運動量は多いが、単一運動・1種目しか運動していない子」の2つに分けられ、さらに食事による栄養摂取面を要因とする指摘がある(2016年(平成28年)[6]。
近年、子どもたちの間でも、バランス能力や柔軟性が低下した「子どもロコモ」が増加傾向にあるという。原因として「姿勢の悪さ」があげられている。スマートフォンやゲーム機の使用が姿勢を悪くする一つの原因だと言われている[7]。
治療
その症候群に対する治癒として、さまざまな運動や体操が提唱されている。
脚注
- ^ 骨や関節、筋肉など。
- ^ 40代から注意!ロコモティブシンドローム NHK あさイチ 2012年10月1日(月)]
- ^ a b ロコモの定義:ロコモティブ症候群:日本臨床整形外科学会
- ^ 介護食の市場動向~ロコモティブシンドローム、サルコペニアを中心に~ 味の素ヘルシーサプライ アミノ酸営業本部 高木正治
- ^ あなたも「ロコモ」? 骨や筋肉の衰え、こまめな筋トレで予防 日本経済新聞 2012年10月13日]
- ^ 小中学生が“老化”!?4割の子どもに広がる「ロコモ」 ホウドウキョク 高山哲朗 2016年12月11日
- ^ “「子どもロコモ」とは? 原因は「姿勢の悪さ」や「運動不足」”. 2024年2月21日閲覧。
- ^ http://www.jsmr.org/flamingo_therapy.html
- ^ Yamashita F, and others. Chair rising exercise is more effective than one-leg standing exercise in improving dynamic body balance: a randomized controlled trial. J Musculoskelet Neuronal Interact. 2012;12(2):74-9.
関連項目
- 体幹筋・インナーマッスル
- サルコペニア(骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群)
- メタボリックシンドローム(心臓や脳血管などの「内臓の病気」が原因)
- 症候群の一覧
外部リンク
- ロコモ チャレンジ! - 日本整形外科学会公認 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト
- 運動器症候群のページへのリンク