農村のそばの水の精霊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 22:50 UTC 版)
古代スラヴ人は、神や守護霊は聖なる森や泉、河川、石、樹木などに住むと考えた。彼らの信仰にしばしば現れるのは、森や水の精霊である。古来より東スラヴでは森や水・川・沼は、不安や憂鬱を引き起こすとされ恐れられた。 古代スラヴ人は森や水には「ルサールカ」と呼ばれる若い娘の精霊が住むと信じていた。ルサールカは「不自然な死に方をした人」「洗礼を受けなかった者」「夭折した若い女」の霊魂に宿ると考えられていた。ルサールカは水の精霊であるが、大陸国家であるルーシでは、日本人がイメージする人魚とは異なり、海にはいない。彼女たちは、川、湖沼、池といった、農民の近くに住んでいる。19世紀ロシアの民俗学者イヴァン・カリンスキーは、「民衆の幻想によると、ルサールカは、水中に住む裸の生き物なのだ」と述べている。ソヴィエト連邦時代の民俗学者ウラジーミル・プロップは、川・湖・池といった水が人格化されたものだとしている。 地方によって、恐らく気候や自然条件のため、ルサールカの姿や性質は異なった。ふつう、長い緑色の髪をした美しい娘である。一方、北ロシアのルサールカは、青白い顔をした醜い妖怪のような姿で、緑色の髪と緑色のぎらつく目を持ち、巨大な乳房を垂らしているとされる。また南ロシアではルサールカは妖艶で愛嬌もあるが、北ロシアでは嫉妬深く気まぐれ、かつ邪悪な性質と考えられていた。 同じく水の精霊であるヴォジャノーイの妻だとする説がある。
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