車谷浩司とは? わかりやすく解説

車谷浩司

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/15 14:46 UTC 版)

車谷 浩司(くるまたに こうじ、1971年8月29日 - )は、日本ミュージシャンBAKUSpiral Lifeでの活動を経て、1996年AIR(エアー)名義でソロデビュー[1][2]。2009年2月にAIR名義での活動を終了し、2010年2月よりLaika Came Back(ライカケイムバック)名義で活動[1]栃木県宇都宮市出身[2]

略歴

BAKU - Spiral Life

1990年にBAKUのギタリストとしてメジャーデビュー。1992年にBAKUは解散。翌1993年に石田小吉Spiral Lifeを結成。1996年にSpiral Lifeは活動を休止する。

AIR

1996年6月、ソロ・プロジェクトAIRの名義でセルフタイトル・ミニアルバム『AIR』をポリスターから発売し、デビュー。同年11月11日に1枚目のフルアルバム『WEAR Off』を発売。なお、AIRのサポートメンバーは渡辺等Bass)、佐野康夫Drums)が担当。

1997年は3枚のシングル「TODAY」、「KIDS ARE ALRIGHT」、「MY RHYME」を発売し、10月29日に2枚目のアルバム『MY LIFE AS AIR』を発売。

1998年2月、アメリカの映画『スポーン』のイメージアーティストに選ばれ、同映画のイメージ・ミニアルバム『SPAWN』を発売。同年8月にシングル「Heavenly」を発売し、9月23日に3枚目のアルバム『Usual tone of voice』を発売。

1999年は自身のレーベル「FREEDOM」を設立し[2]、3枚のシングル「LIBERAL」、「No more Dolly」、「6453」、9月9日に4枚目のアルバム『FREEDOM/99』を発売。

1999年11月から2000年5月にかけて3枚のシングル「Rush and Rush」、「NEO KAMIKAZE」、「Crawl」を発売し、2000年4月29日に東京ベイNKホールでライブを行う。同年7月12日にはシングル「New song」を発売。表題曲は326が作詞を担当し、『2000・夏未来箱!!』(TBS系)のキャンペーンソングとなっていた。7月30日にはフジロックフェスティバルに出演[3]

2000年12月にシングル「ME,WE.」を発売し、2001年3月2日にDragon AshからKjとBOTSが参加したシングル「Right Riot」とこれまでのアルバムの楽曲の別ヴァージョンを集めたミニアルバム『Stilly』を同時発売。同年3月14日に5枚目のアルバム『Flying colors』を発売し、同日からツアー『Flying colors TOUR』を開催[4]。ツアーファイナルの東京ベイNKホールでは、Dragon AshのKjとBOTS、SNAIL RAMPのAKIOがゲストとして出演[5]

東芝EMIへの移籍

2002年9月にシングル「Last Dance」を東芝EMIより発売。同年10月17日に6枚目のアルバム『My Way』を発売。

2003年は2枚のシングル「One Way」、「Starlet」を発売し、11月27日に7枚目のアルバム『one』を発売。同年6月にはポリスター在籍時の楽曲を自身が選曲した初のベストアルバム『Best Not Best』がポリスターから発売された。

2004年1月10日に横浜アリーナでライブを行い[6]、10月にはシングル曲を集めた2枚目のベストアルバム『SINGLES』を発売。

2005年は2枚のシングル「sunset」、「We can sing a song」を発売し、11月23日に8枚目のアルバム『A Day In The Life』を発売。2005年5月以降弾き語り形式でのライブ「The Bread Of Life」を開始する[7][8]

tearbridgeへの移籍

2006年7月、シングル「Your Song」をROOTSより発売し、12月にシングル「Walk This Way」をtearbridge recordsより発売。2007年2月21日に9枚目のアルバム『The New Day Rising』、ファン投票で選ばれたライブベスト盤『Live And Learn』を同時発売[9]

2007年は2枚のシングル「Surfriders」、「Have Fun」を発売し、2008年2月27日に10枚目のアルバム『Nayuta』を発売[10]。5月26日から、ツアー「AIR 2008 "Nayuta〜FREEDOM/08"」を開催[11]。また、2007年6月発売のNICO Touches the Wallsのシングル『Primitive-disc「エデン」』以降のNICO Touches the Wallsの作品に共同プロデューサーとして参加[12][13][14]

活動終了

2009年2月10日、自身のオフィシャルサイトでAIRとしての活動を終了する事を発表し、同日付で所属事務所「ROOTS」との契約も終了[15]。2月11日にシングル「Pansy」をROOTSより発売し、2002年から2008年までのAIRの音源をパッケージしたベストアルバム『Three Cheers For Goodbye』をポリスターから発売[16]

Laika Came Back

2010年2月10日、新プロジェクトLaika Came Backの開始の発表に伴い以下のコメントを発表[17]

もし志半ばにして命を終えなければならなかった者達がこの地球上に帰ってくることが出来たら、何を思い、何を描き、何を奏で、どんな行動をするのでしょう。 If the souls of the people who have died against their will could come back to the Earth, what would they think and depict,and how would they play and act?

同年3月31日に楽曲「Landed」、12月22日に楽曲「Trace」を配信で発売[18][19]。2011年1月10日に東京・WWWで開催されたイベント「GREENROOM LIVE VOL.1 〜180° SOUTH〜」に出演し、Laika Came Back名義での初ライブを行う[19]

2011年5月に東京・大阪でワンマンライブを開催し、同年3月11日に発災した東日本大震災に際して急遽決定された5月27日の仙台PARK SQUAREでのワンマンライブを開催[20]。9月にアルバム『Landed』を発売し、愛知県、大阪府、福岡県、東京都を回るツアーを開催[21]。また、9月24日に千葉・幕張メッセで行われたライブイベント『GG11 -10th Anniversary-』のオーガナイザーであるジョージ・ウィリアムズの熱烈なオファーに応え、AIRとして同イベントに出演。サポートはドラムを金子ノブアキRIZE)、ベースをサトウマサトシ(ACIDMAN)が務めた[22]。10月29日から長野県・長野NEONHALLでの公演を皮切りに全国13都市を回るツアー『From "Landed" to "Trace"』を開催[23]

2012年12月から2015年8月にかけて4作の楽曲「Ride On The Secret」、「桜花」、「逆光」、「忘れない」を配信で発売[24][25]

音楽性

爽やかなピアノをメインとした「NEW SONG」[26]、低く、重く、うねるような低音のギターリフが特徴の「ME,WE.」[26]、Dragon Ashの降谷建志とのコラボレートでヒップホップ・シーンに接近した「Right Riot」など[2]、楽曲ごとにギターロックジャズパンク・ロックポップなど様々なジャンルの音楽を取り込んだ音楽性が特徴[1][2]。インタビューでは、「首尾一貫したスタイルを目指しているわけではなくて、その時自分にとって一番タイムリーな表現を追求しているだけ」と述べた[26]

社会的なメッセージを込めた楽曲も多く、特に動物実験に強く反対している[1]。「ME,WE.」では「Against Animal Testing(動物実験反対)」や「同じ血 同じ涙を持ってる」といった主張をした[26]

ディスコグラフィ

※特筆されていないものを除き、全てAIR名義。最高位はオリコンチャート週間ランキングによるもの[27]

シングル

発売日 タイトル 規格品番 最高位
1st 1997年4月30日 PSCR-5585 37位
1997年6月1日 PSKR-9104[注 1] -
2nd 1997年9月10日 PSCR-5630 26位
3rd 1997年10月8日 PSCR-5645 21位
4th 1998年8月26日 PSCR-5695 35位
5th 1998年12月9日 PSCR-5719 53位
6th 1999年5月8日 PSCR-5755 44位
7th 1999年7月1日 No more Dolly PSCR-5765 49位
8th 1999年8月1日 PSCR-5777 70位
9th 1999年11月30日 RTCR-1001 52位
10th 2000年2月23日 RTCR-1002 58位
11th 2000年5月1日 RTCR-1005 49位
12th 2000年7月12日 RTCR-1009 33位
13th 2000年12月1日 RTCR-1012 47位
14th 2001年3月2日 RTCR-1013 35位
15th 2002年9月11日 TOCT-4424 27位
16th 2003年3月26日 TOCT-4469 48位
17th 2003年9月26日 TOCT-4578 41位
18th 2004年1月1日 TOCT-4676 138位
19th 2005年8月3日 TOCT-4898 45位
20th 2005年10月19日 TOCT-4907 39位
21st 2006年7月3日 RTCA-1003 63位
22nd 2006年12月6日 NFCD-27035 77位
23rd 2007年6月27日 NFCD-27046 54位
24th 2007年12月5日 NFCD-27059 84位
25th 2009年2月11日 RTCA-1004 103位

配信楽曲

※全てLaika Came Back名義

  • 「Landed」(2010年3月31日)
  • 「Trace」(2010年12月22日)
  • 「Ride On The Secret」(2012年12月20日)
  • 「桜花」(2013年3月1日)
  • 「逆光」(2014年4月26日)
  • 「忘れない」(2015年8月27日)
  • 「こはく」(2019年6月19日)

スタジオ・アルバム

発売日 タイトル 規格品番 最高位
AIR
1 1996年11月11日 WEAR Off PSCR-5543 10位
2 1997年10月29日 MY LIFE AS AIR PSCR-5650 9位
3 1998年9月23日 Usual tone of voice PSCR-5711 15位
4 1999年9月9日 FREEDOM/99 PSCR-5794 15位
5 2001年3月14日 Flying colors RTCR-1014 13位
6 2002年10月17日 My Way TOCT-24869 13位
7 2003年11月27日 one TOCT-25218 28位
8 2005年11月23日 A Day In The Life TOCT-25838 41位
9 2007年2月21日 The New Day Rising NFCD-27039 40位
10 2008年2月27日 Nayuta NFCD-27070 59位
Laika Came Back
1 2011年9月7日 Landed XQKQ-1001 76位
2 2016年7月6日 Confirms XQLX-1004

ミニアルバム

発売日 タイトル 規格品番 最高位
1 1996年6月26日 AIR PSCR-5490 15位
2 1998年2月25日 SPAWN PSCR-5667/8 19位
3 2001年3月2日 Stilly MTCR-1 47位

ライブ・アルバム

発売日 タイトル 規格品番 最高位
1 2000年6月28日 MY LIVE AS AIR RTCR-1010 67位
2 2005年12月1日 The Bread Of Life ROOTS-001X -
3 2007年2月21日 Live And Learn NFCD-27045 79位
4 2008年3月12日 The Bread Of Life 2007 RSTAR-1 243位

ベスト・アルバム

発売日 タイトル 規格品番 最高位
1 2003年6月25日 Best Not Best PSCR-6116/7 48位
2 2004年10月20日 SINGLES RTCA-1001/2 56位
3 2009年2月11日 Three Cheers For Goodbye PSCR-6229/30 134位

リミックス・アルバム

発売日 タイトル 規格品番 最高位
2003年3月26日 On My Way TOCT-24984 113位

映像作品

  • LOW BLOOD PRESSURE(VHS:1996/9/15)
  • AIR OF TOKYO (VHS:1998/5/13・DVD:2004/8/25)
  • NEO KAMIKAZE SAT 29TH APRIL 2000 AIR in N.K (VHS:2000/6/28・DVD:2005/3/30)
  • Flying colors (VHS:2001/10/24・DVD:2001/10/27)
  • one{2004.1.10 yokohama arena} (DVD:2004/4/14)オリコン35位
  • The New Day〜Walk This Way〜2007(DVD:2008/2/27)オリコン115位
  • AIR CLIPS 1996-2001(DVD:2011/10/26)

タイアップ一覧

使用年 曲名 タイアップ
AIR
1997年 KIDS ARE ALRIGHT テレビ朝日系『クイズ!渡る世間は金ばかり?!』エンディングテーマ
テレビ神奈川ミュージックトマトJAPAN』テーマソング
1998年 Hello TBS系『MabOodachiIII』エンディングテーマ
1999年 6453 NIKE「6453シリーズ」CMソング
Rush and Rush テレビ神奈川『ミュージックトマトJAPAN』オープニングテーマ
2000年 Crawl TBS系『極すれすれガレッジセール』エンディングテーマ
日音制作 音楽情報番組『P.S. -Pop Shake-』オープニングテーマ
New song TBS系『2000・夏未来箱!!』キャンペーンソング
TBS系『王様のブランチ』エンディングテーマ
ME, WE. TBS系『夜の××自慢』オープニングテーマ
2001年 Right Riot TBS系『CDTV-Neo』オープニングテーマ
2002年 Last Dance 日本テレビ系「バイ・バイ・ブラックバード」CMソング
2006年 Hold Your Hand TBS系『格闘王』エンディングテーマ
Walk This Way テレビ朝日系『完売劇場』エンディングテーマ
テレビ神奈川『MUTOMA α』/『MUTOMA LIVE』オープニングテーマ
2020年 KIDS ARE ALRIGHT TBS系お笑いの日』テーマソング(2020年 - )

脚注

注釈

  1. ^ 7"シングルレコード
  2. ^ AIR feat.kj名義

出典

  1. ^ a b c d Laika Came Backの記事まとめ”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ. 2015年11月16日閲覧。
  2. ^ a b c d e AIR(車谷浩司)”. CDJournal. 音楽出版社. 2015年11月16日閲覧。
  3. ^ フジロックフェスティバル 2000”. フジロックフェスティバル ヒストリー. スマッシュ. 2015年11月18日閲覧。
  4. ^ AIR “Flying colors TOUR”最速レポート!!”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク株式会社 (2001年3月16日). 2015年11月17日閲覧。
  5. ^ 伝説のライヴ<NEO KAMIKAZE>から1年。この地で、AIRは更なる伝説を作った。”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク株式会社 (2001年5月11日). 2015年11月17日閲覧。
  6. ^ AIR、横浜アリーナでのライヴ決定!”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク株式会社 (2003年8月22日). 2015年11月17日閲覧。
  7. ^ AIRが弾き語りライブアルバムをタワレコ限定で発売”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2008年3月14日). 2015年11月16日閲覧。
  8. ^ AIRが恒例弾き語りツアーを全国8都市で開催”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2008年5月5日). 2015年11月16日閲覧。
  9. ^ [AIR] アルバム2枚同時リリース”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2007年1月30日). 2015年11月16日閲覧。
  10. ^ AIR待望のニューアルバム完成!ライブDVDも同時発売”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2008年1月28日). 2015年11月16日閲覧。
  11. ^ AIR、東名阪の4会場でレコ発ツアーを開催”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2008年3月7日). 2015年11月16日閲覧。
  12. ^ [NICO Touches the Walls] AIRプロデュース2枚組新作発売”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2007年5月2日). 2015年11月16日閲覧。
  13. ^ [NICO Touches the Walls] メジャーデビューミニアルバム完成”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2007年9月29日). 2015年11月16日閲覧。
  14. ^ NICO Touches the Wallsがメジャー初シングル発表”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2007年12月29日). 2015年11月16日閲覧。
  15. ^ AIR終了、今後も音楽活動は継続”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2009年2月10日). 2015年11月16日閲覧。
  16. ^ AIRがベストアルバム&ニューシングル同時リリース”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2009年1月7日). 2015年11月16日閲覧。
  17. ^ 車谷新プロジェクトLaika Came Back、公式コメント発表”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2010年2月10日). 2015年11月16日閲覧。
  18. ^ 車谷浩司新プロジェクトLaika Came Backの新曲配信日決定”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2010年2月17日). 2015年11月16日閲覧。
  19. ^ a b Laika Came Backひさびさ新曲&初ライブ決定”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2010年12月1日). 2015年11月16日閲覧。
  20. ^ 車谷浩司Laika Came Backが仙台で急遽ワンマンライブ敢行”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2011年4月20日). 2015年11月16日閲覧。
  21. ^ Laika Came Back初全国ツアーを東名阪福で展開”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2011年6月10日). 2015年11月16日閲覧。
  22. ^ 車谷浩司ユニットAIRが「GG11」で1日限りの復活”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2011年7月22日). 2015年11月16日閲覧。
  23. ^ 車谷浩司Laika Came Backが13都市で全国ツアー敢行”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2011年9月10日). 2015年11月16日閲覧。
  24. ^ Laika Came Back、アコースティックな新曲配信開始”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2012年12月20日). 2015年11月16日閲覧。
  25. ^ Laika Came Back、約1年ぶり新曲「逆光」配信リリース”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2014年4月18日). 2015年11月16日閲覧。
  26. ^ a b c d 尾田和実 (2000年11月30日). “「ME,WE.」に込められたAIRが標榜する“Freedom!””. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク株式会社. 2015年11月18日閲覧。
  27. ^ AIRの作品”. ORICON STYLE. オリコン株式会社. 2015年11月15日閲覧。

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