ラヴィーナ:賢者たち
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ラヴィーナ:賢者たち | Les Mages Op.54 | 初版出版地/出版社: Leduc 献呈先: Melles Louise Cassas et Berthe Sommier |
作品解説
〈賢者たち〉Les Magesはユゴーの第6巻第23編の詩。1852年、ナポレオン三世が第2帝政を樹立すると、共和制に共感していたユゴーは君主体制に対抗し国外追放処分を受け英仏海峡に浮かぶジャージー島に流される。ここで彼は交霊術に没頭し、霊たちの真正性はともかく、亡き娘の霊や歴史上の偉人、さらにはキリストの霊をも呼び出すことに成功したという。1856年1月と日付が書かれた長大なこの詩には、彼が次々に呼び出した古今の「賢者たち」の名前が次々に登場する。音楽家ではペルゴレージ、グルック、モーツァルト、ベートーヴェンの名が挙がっているが、ラヴィーナの音楽ではこれらの作曲家のスタイルが参照されることはない。楽曲はロ短調の怪しげな和音連打と軽快な主題に始まる。再現部ではこの主題がロ長調に転じ高らかに歌われ、技巧的で壮麗なコーダで結ばれる。4本の手から巧みに効果が引き出され、オーケストラ的な色彩が全面に押し出されている。
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