読み出し動作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 19:43 UTC 版)
読み出し時には、上記のようにTMR効果によってMTJの抵抗の大きさが平行、反平行時( R L , R H {\displaystyle R_{L},R_{H}} )で変化するので、これらに対応する抵抗値をデータの0と1としている。 DRAMや他のメモリと異なりMTJを流れる電流の大小を電圧の大小として読み出す必要があるため、通常は参照セルと選択セルに同じ大きさの電流を流し、その電圧降下の差を差動増幅回路(センスアンプ)で増幅して電圧として読み出している。 参照セルの抵抗値は R L {\displaystyle R_{L}} と R H {\displaystyle R_{H}} の間の値を取るように設計されている。 R L {\displaystyle R_{L}} と R H {\displaystyle R_{H}} の比( = R H / R L − 1 {\displaystyle =R_{H}/R_{L}-1} )は磁気抵抗比(MR比、MagnetoResistance ratio)と呼ばれ、このMR比が大きいほど読み出しエラーが少なくなる。 この様に、MRAMは記憶に強磁性体中の電子のスピンに由来する磁化状態を利用するため不揮発で、電源を遮断してもデータが保存される。しかし、外部からの強磁場に弱い。これはMTJ素子が可動層の磁化そのものではなく、両層の磁化方向の違いによりデータを記録する為に固定層の磁化が狂ってしまうと正常に読み出しできずに回復不能(ハードエラー)になるからである。
※この「読み出し動作」の解説は、「磁気抵抗メモリ」の解説の一部です。
「読み出し動作」を含む「磁気抵抗メモリ」の記事については、「磁気抵抗メモリ」の概要を参照ください。
- 読み出し動作のページへのリンク