語順と理解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 02:27 UTC 版)
古ノルド語は古英語と同様に総合的言語であり、語根に付与された接頭辞と接尾辞が文法的意味を示すため、いわゆる分析的言語である現代英語に比べると、語順はかなり自由である。スカルド詩はこの自由度を最大限に生かしており、時に通常の散文では不自然なほどの表現になることがある。ケニングにおいても、属格句の基底語と決定素の間や、時には複合語の各要素の間にすら、ほかの単語がはさまることがある(分語法)。複数のケニングが入り交じることもある。その場合も、古ノルド語では形態論が洗練されているために、同じようにねじれた英語の文と比較すれば、曖昧さは普通小さい。 もう一つの特徴として、古ノルド語のケニングは極めて慣習的な傾向があることが挙げられる。指し示す話題も決まった小さい範囲にとどまり、表現も隠喩として伝統的に使われるものに収まることがほとんどである。一例では、指導者などが寛大な人物であるとされるとき、民衆側の味方であることを示すものとして、慣習的に「黄金の敵」「宝の攻撃者」「腕輪の破壊者」と呼ばれる。とはいえ、意味の曖昧な例も多くあり、故意にそうしたと思われるものもある。
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