語順の類型論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 09:33 UTC 版)
言語類型論では複数の語順が可能な場合には、そのうちの一つが基本語順 (basic word order)または支配的語順 (dominant [word] order)とされる。 ラテン語やフィンランド語は定型的な語順を持たない。しかし傾向として、前者が SOV 型、後者が SVO 型と見なせる。このように柔軟な語順で使用される言語は、文中における名詞の役割を表示する格を有するのが普通である。同様に語順が比較的自由な日本語では格助詞がこの役割を担っている。またハンガリー語やチェコ語のように、語順が主題・焦点など情報構造を示す手段となる言語もある。 同じくらいよく使われる語順が二つ以上あるために基本語順を一つに決められない言語にも、いくつかのタイプがある。オーストラリアのヌングブユ語のようにほとんど全ての語順が同じくらいよく使われる言語もあれば、ドイツ語やオランダ語で主節ではSVOが優勢だが従属節ではSOVとなるように、統語的環境によって基本語順が変わる言語もある。
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