訴えの変更の手続
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/06 21:44 UTC 版)
請求の変更は書面でしなければならず、この書面は被告に送達される(143条2項、3項)。 判例は、請求原因のみの変更は口頭でも許されるとする(最高裁判所昭和35年5月24日民集14巻7号1183頁)。その理由は、民事訴訟法143条1項は「請求」「請求の原因」という二つの文言を用いているのに対し、同2項は「請求の変更は、書面でしなければならない」と「請求」という文言しか用いていないことを理由としている。 しかし、学説は、請求原因の追加が訴訟物の追加に当たる場合には、その部分は新訴提起に準じて書面によるべきだとする。ただし、訴え変更記載書面の提出送達がない場合でも、被告の責問権の喪失によって、瑕疵は治癒される(最高裁判所昭和31年6月19日民集10巻6号665頁)。 原告による訴えの変更について被告に異議がある場合には、被告は裁判所に対して訴えの変更を許さない旨の決定を求める申立てをすることができる。また、訴えの変更が不当である場合には、裁判所は職権で訴えの変更を許さない旨の決定をしなければならない(143条4項)。この訴えの変更の許否についての決定は、不服申立てが可能であるが抗告が認められない裁判である。したがって、不服は終局判決に対する上訴によって行われる(283条)。
※この「訴えの変更の手続」の解説は、「訴えの変更」の解説の一部です。
「訴えの変更の手続」を含む「訴えの変更」の記事については、「訴えの変更」の概要を参照ください。
- 訴えの変更の手続のページへのリンク