許容差設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 05:18 UTC 版)
パラメータ設計は低コストの部品を使って、SN比で機能性の改善を行うが、品質改善の目的はコスト改善であるから、品質とコストのバランスを考えることが大切でマネジメントの問題である。 そこで、パラメータ設計でSN比を6dB改善できれば、市場のばらつきが1/4になるのだから、1/4の低コスト部品を使っても目的機能は変わらないことになる。この場合、3dBを品質改善に、残りの3dBをコスト改善に廻せば、2倍の品質で半分のコストが達成できるのである。 許容差設計は「品質改善の成果をコスト改善に還元できる手法」なのである。 ここで初めて「損失関数」が必要になるのである。損失関数は「目標値からのばらつき」に比例するもので、目標値に調整した後のSN比の真数の逆数に比例する。すなわち、 L {\displaystyle L} (円) = A Δ 2 {\displaystyle {\frac {A}{\Delta ^{2}}}} (1/SN比)で表され、 Δ {\displaystyle \Delta } は機能限界、 A {\displaystyle A} は機能限界を超えたときの損失で市場に出たときの品質損失を表す。 部品や組み立て品の許容差設計 直交多項式を使った応答解析による許容差設計 最近社会的トラブルに関係する「安全設計」にこの考え方が適用できる。品質工学における安全設計とは、「信頼性に頼るのでなく、事故が起きたときに被害を最小にする設計である」。例えば、航空機事故の場合、航空機が落ちたとき人命を2億円と考えて、損害に見合うような安全装置を設置するなどである。照明器具が落下した場合、人間の頭の上で止まって直接危害を加えない安全装置を設けるなどである。
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