計算による導出とは? わかりやすく解説

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計算による導出

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/19 03:37 UTC 版)

弱測定」の記事における「計算による導出」の解説

弱測定計算は以上の手順」を踏まえて行う。まず1.述べた初期状態用意だが射影測定なので適当な純粋状態である。これを | i ⟩ {\displaystyle |i\rangle } と記述する。2.では先に述べたように「測定器」を取り付け測定器と系が相互作用するというステップ記述することになる。これに対して測定器を | ψ ⟩ {\displaystyle |\psi \rangle } と記述し相互作用する前の、「測定器取り付け」た状態をこれらのテンソル積 | i ⟩ ⊗ | ψ ⟩ {\displaystyle |i\rangle \otimes |\psi \rangle } と記述するこのような状態に対して相互作用与える。相互作用量子力学的な状態を別の量子力学的な状態へ変質させるのでそのようなものの中から適当なものを考えなくてはならない。 まず、量子力学はもとのヒルベルト空間テンソル積空間状態空間考えるため、テンソル積空間上の演算子である。また、通常時間発展ユニタリー演算子である。したがってテンソル積空間上のユニタリー演算子から探すのが普通であり、これまで行われてきた実験モデル含め基本的には「ノイマン型」すなわち e − i g A ^ ⊗ Q ^ {\displaystyle e^{-ig{\hat {A}}\otimes {\hat {Q}}}} を選ぶ。ここでgは実定数で A ^ {\displaystyle {\hat {A}}} は | i ⟩ {\displaystyle |i\rangle } のいるヒルベルト空間、および Q ^ {\displaystyle {\hat {Q}}} は | ψ ⟩ {\displaystyle |\psi \rangle } のいるヒルベルト空間上で作用するエルミート演算子である。 このノイマン型測定演算子作用した後の状態すなわち e − i g A ^ ⊗ Q ^ | i ⟩ ⊗ | ψ ⟩ {\displaystyle e^{-ig{\hat {A}}\otimes {\hat {Q}}}|i\rangle \otimes |\psi \rangle } が2.の測定後の状態である。このような状態は演算子テンソル積および指数の定義から ∑ k = 0 ∞ ( − i g ) k k ! ( A ^ k | i ⟩ ) ⊗ ( Q ^ k | ψ ⟩ ) {\displaystyle \sum _{k=0}^{\infty }{\frac {(-ig)^{k}}{k!}}({\hat {A}}^{k}|i\rangle )\otimes ({\hat {Q}}^{k}|\psi \rangle )} である。 このあと、3.を施す。3.は事後選択であり、事後選択は「物理系終了状態 | f ⟩ {\displaystyle |f\rangle } に射影するが測定器は何もしない」というモチベーションから | f ⟩ ⟨ f | ⊗ i d {\displaystyle |f\rangle \langle f|\otimes id} なる演算子記述したいが、実際には「射影公理」に対応して正規化係数前に現れる点には注意したい。その部分については後ほど調整するいずれにせよ物理系射影し、測定器を何もしない演算子をほどこすことで ( | f ⟩ ⟨ f | ⊗ i d ) ( ∑ k = 0 ∞ ( − i g ) k k ! ( A ^ k | i ⟩ ) ⊗ ( Q ^ k | ψ ⟩ ) ) {\displaystyle (|f\rangle \langle f|\otimes id)\left(\sum _{k=0}^{\infty }{\frac {(-ig)^{k}}{k!}}({\hat {A}}^{k}|i\rangle )\otimes ({\hat {Q}}^{k}|\psi \rangle )\right)} = | f ⟩ ⊗ ( ∑ k = 0 ∞ ( − i g ) k k ! ⟨ f | A ^ k | i ⟩ ⋅ ( Q ^ k | ψ ⟩ ) ) =: | f ⟩ ⊗ | ψ ′ ⟩ {\displaystyle =|f\rangle \otimes \left(\sum _{k=0}^{\infty }{\frac {(-ig)^{k}}{k!}}\langle f|{\hat {A}}^{k}|i\rangle \cdot ({\hat {Q}}^{k}|\psi \rangle )\right)=:|f\rangle \otimes |\psi '\rangle } このようにして作った状態に対して定義された | ψ ′ ⟩ {\displaystyle |\psi '\rangle } を用いて適当な物理量の期待値計算することになる。

※この「計算による導出」の解説は、「弱測定」の解説の一部です。
「計算による導出」を含む「弱測定」の記事については、「弱測定」の概要を参照ください。

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